「庭の千草」狂詩曲
「君は……何故、胸の内にしまっていることまで見透かして、(えぐ)り出すんだ」

「あなたと、おばあちゃまにヴァイオリンを教わっていた頃から、あなた左足をバレないように庇っていた。それだけじゃない。演奏がうまくいかなかった時はただ泣いていたんじゃない。あれは息を呼吸を整えていたのよね。苦しくて演奏できなくて泣いていたのよね。おばあちゃまのあんな慌てた顔は、あなたとのレッスン以外に見たことがなかった」

「何故そんなことに気づくんだ……」

「あなたが練習中に踞って辛そうにして泣いているのを、わたし観ていたくなかったの。上手く演奏できなくてとか、あなたに適わなくて悔しくてやめたとか、そんな理由はみんな嘘だった」

「ーーそうか。僕は君が急にやめて10日以上、立ち直れなかったんたが」

「茶化さないで。おばあちゃまは、あなたの体のことをどこまで知っていたの?」

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