「庭の千草」狂詩曲
入国審査、荷物受け取りなどを済ませ1時間半後。

到着ロビーに出るとユリウスが出迎えた。

「ゆっくりできた……少し痩せたか?」

「日本は暑くて。それに検査入院の後、リハビリが結構たいへんで」

ユリウスは詩月のスーツケースを受け取り、詩月の歩調に合わせて駐車場まで歩いた。

「機内では眠れたか?」

「ずっと寝ていた。たらふく寝たはずなんだけどな」

「ずっと……飯は?」

「機内食は味が濃いし塩分も高いから、 不要申請していた」

「不便だな。真っ直ぐ戻るが、いいか? マルグリットが、夕飯の支度をしている。帰ってくるのを楽しみにしていたんた。ずっと待っていたんだ」

帰ってこないかもしれない、とでも思っていたんだろうか。

詩月は小首を傾げた。

「あんなことがあったから、心配していたんだ」

「僕はどう思われているのかな。そんなにメンタルが弱いと?」
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