「庭の千草」狂詩曲

chapter 4ーー夏の名残りの薔薇

「詩月! 良かった、戻ってきた」

ウィーンに戻って3日後。

詩月は教授に挨拶した帰り、BALに顔を出した。

詩月がBALの扉を開けるなり、ビアンカが飛びついてきた。

ーーあっ

バランスを崩し、よろけた詩月をビアンカが慌てて支えた。

「詩月!?」

「1ヶ月の検査入院で筋力が落ちているんだ」

ビアンカはギュッと詩月を抱きしめた。

「待ってたんだ、詩月。1ヶ月半はスゴくスゴく長かったよ」

「もう少し早く帰って来れると思っていたんだが、主治医が慎重派で心配性な人でね。ーー座っていいかな」

ビアンカが入り口から1番近い席の椅子を引き、詩月は礼を言って椅子にかけた。

「リハビリには明日から通う」

「不便だね。ミヒャエルはさ、演奏に行っていて今日は夕方からなんだ。マスター、呼んでくるよ」

ミヒャエルは6月に学士課程を卒業し、修士課程に進んだ。
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