「庭の千草」狂詩曲
翌日は曇り空だった。

詩月は日本なら未だ夏日で、カンカン照りだと思いながら出掛けた。

リハビリを済ませて宗月の病室に行くと、クレアと宗月が詩月を迎えた。

「どうだった、日本は?」

宗月が両手に胡桃を握り、開いたり閉じたりしながら訊ねた。

「特に変わったことは」

詩月は検査入院中の検査数値や体調は、一切話さなかった。

「そうか。ーー黙っていてすまなかったな」

「必要だったから話さなかったんだろ。詩子さんに1通り聞いたよ」

詩月は平然を装おった。

「あなたの実の父親は……」

「僕の父は周桜宗月しかいない。写真でしか知らない人を父親だとは思わない」

詩月はクレアの言葉を遮り、きっぱりと言い放った。

「怪我の具合は?」

「退院にはもう少しかかるが、リハビリは順調だ」

「焦らずにしっかり治せよ、無理せずに」

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