「庭の千草」狂詩曲
「退屈そうだったけれど、病室でもリハビリをしていた」

詩月は言いながら、手を開いたり閉じたりして見せた。

「足のリハビリには暫く通うんだろ」

「2、3ヶ月くらいかな」

「宗月もその頃には退院しているだろうし、クレアも帰国しているかな」

「母さんの教室の生徒が待っていたよ」

「へぇ~。どんな先生をしているんだろうな、クレアは」

「かなり厳しいらしい。宿題をたくさん出されるとぼやいていた」

「その生徒はお前の知り合い?」

「彼女は元師匠の孫で、子供の頃には一緒に習っていた。ブランクがなければ安坂さんやミヒャエルよりも、きっと上手くなっていた」

「珍しいな、お前がそこまで言うのは。上手かったのか」

「彼女とはずっと課題曲が一緒で、負けたくなくかったんだ。続けていれば良かったと後悔していた」

「また始めたんだろ。良かったじゃないか」
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