「庭の千草」狂詩曲
ユリウスもエィリッヒも、詩月がダフィットを父親と認めないのは知っている。

「僕は父さんが退院したら、母さんと3人でダフィットの墓参りに行こうと思っていた。血縁関係をすっぱ抜かれて機を逃してしまった」

ユリウスは宗月よりも詩月の方が余程、しっかりしていると思った。

「ダフィット教授の墓には毎年、命日に花が供えられているんだ。離婚した奥さんなのか、教授の母親なのか」

「天涯孤独ではないだろうし、墓参りする知り合いくらい居るだろう」

「教授は気難しい人だったし無愛想で、学生たちから煙たがられていた。慕っていたのはクレアくらいだった」

詩月は、そんなダフィットを何故クレアは慕い就いていけたのか、不思議だった。

「ユリウスは何故、教授を」

「俺は師事していた教授が高齢で退職されて、ダフィット教授に代わったんだ。最初のレッスンはビクビクしたが、杞憂で気が抜けたよ」
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