「庭の千草」狂詩曲
宗月がもしも選曲リストを返していたら、伴奏者探しに苦労したに違いなかった。

「君はもっと自分の意志を主張していいし、君自身の指を大事にした方がいい。行くよ」

宗月はスタスタと歩いていく。

「今から?」

「そう、今から。ダフィット教授に話しに行く」

強引な人だと思った。

先生がどれだけ頑固な人か知らないから、そんなに簡単に言えるんだと思った。

「ユリウス、お前も助言を頼むよ」

ユリウスは宗月に不意に言われて「マジかよ」と気が乗らない様子だった。

宗月たちとダフィット先生を訪ねると、先生は楽譜を観ていた。

「何用かね」

宗月は訊ねられて、選曲リストのファイルを差し出した。

「この選曲リストは受け入れられません」

直球だった。

何と言う潔さだろうと思いつつ、先生の顔を窺った。

「それは私が決定したことだ、変更する気はない」
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