「庭の千草」狂詩曲
「やめてください。調子狂うじゃないですか」

俺は答えながら、肺がんと云うのはどうやら本当で、弱って丸くなったのかと思った。

俺は予定されているコンサートスケジュールの隙間に、クレアとの練習時間をできるだけ詰めこんだ。

学内の練習室、利用しているスタジオの空き時間をフルに活用した。

クレアを時々、食事に誘いBALでも演奏した。

BALではリラックスして、人前で演奏するために、敢えて客が多い時間を選んだ。

素人の感覚は、審査員よりも率直で本音をぷつけてくる。

好き嫌いがハッキリしている。

専門の知識がない分、理屈っぽい評価をしない。

俺は明快だと思っている。

観客を味方につけることができれば、また演奏を聴いてみたいと思ってもらえる。

何より、聴き手が多ければ舞台度胸も着く。

難しい評価を気にせずに、リラックスして演奏してもらいたいと思った。
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