嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
あれだけ信心深く、日々青龍に祈りを捧げていたベアトリーセだ。自分の産んだ子供は龍に選ばれ、誉れ高き託宣を授かったはずだった。それなのに――
青龍を冒涜し、人ならざる禁忌の異形になり果てる。カイが龍から受けた理不尽な託宣は、敬虔なベアトリーセにとって、どうあっても受け入れ難いものだったのだろう。精神を病み、その正気を手放すほどに。
(せめて初めから理由を知っていたのなら……)
ベアトリーセを、そしてカイのこころを、もっと上手く守ってやれたかもしれなかった。
「次は白の夜会の前に顔を出します」
あと何度、この背を見送ることができるのだろうか。カイはいつか託宣を果たす時が来る。信じたくなどないが、これまでの国の歴史を思うと、それを避けることは叶わない。
「何かあったらすぐわたくしを頼るのよ。カイのためなら何でもしてあげるから」
「ありがたきお言葉。ですが今はそのお気持ちだけ頂いておきます」
悪戯な笑みを浮かべ、カイはイジドーラに向けて優雅に礼を取った。
青龍を冒涜し、人ならざる禁忌の異形になり果てる。カイが龍から受けた理不尽な託宣は、敬虔なベアトリーセにとって、どうあっても受け入れ難いものだったのだろう。精神を病み、その正気を手放すほどに。
(せめて初めから理由を知っていたのなら……)
ベアトリーセを、そしてカイのこころを、もっと上手く守ってやれたかもしれなかった。
「次は白の夜会の前に顔を出します」
あと何度、この背を見送ることができるのだろうか。カイはいつか託宣を果たす時が来る。信じたくなどないが、これまでの国の歴史を思うと、それを避けることは叶わない。
「何かあったらすぐわたくしを頼るのよ。カイのためなら何でもしてあげるから」
「ありがたきお言葉。ですが今はそのお気持ちだけ頂いておきます」
悪戯な笑みを浮かべ、カイはイジドーラに向けて優雅に礼を取った。