嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
王城を出て、王都の外れにある隠れ家へと向かう。リープリングに出迎えられて、お決まりで犬用おやつを放り投げた。
その隙に二階に駆け上がり、奥の資料部屋の扉を開ける。埃のたまった紙の束をかき分けながら、これからの調査に使えそうなものをピックアップした。
白の夜会で新たな人脈づくりをしないといけない。各貴族が所有する書庫には、託宣にまつわるものが時に眠っている。そこに潜り込むには、暇を持て余しているご夫人たちと親しくなるのが手っ取り早かった。
広げられたまま置かれていたノートがふと目に入った。そこにはふたつの託宣のことが書かれている。
そのひとつはルチアが受けたリシルの託宣、もうひとつがカイを星に堕とすオーンの託宣だ。
(夜会の前に、もう一度こんがり亭に行くか)
ルチアの顔が思い出され、カイはそんなことを考えた。彼女を一緒に連れていけば、戻ってきたイグナーツと引き合わせることができるかもしれない。
そうすればルチアのことはイグナーツに任せて、冬の間、自分は面倒を見ないでよくなるだろう。
「その方が調査に専念できるし……」
呟いて、頭の中で算段をつける。王都のタウンハウスから連れ出すには、それなりの理由が必要だ。イグナーツの使いで迎えに行くといったところが、いちばん安全且つそれらしいだろうか。
(オレが個人的にルチアを連れまわしたって噂が流れてもまずいからな)
社交界での浮ついた自分の立場は、カイ自身がいちばんよく知っている。ルチアの名誉に傷をつけるわけにはいかないので、そこは慎重に事を進めないとならなかった。
ブルーメ家にはベッティを行かせてあるので、侍女として共につければ誰かに見られても体裁は保てるだろう。
「まずは子爵に連絡を入れるか」
差し迫った白の夜会を前に、カイは急いで動き出した。
その隙に二階に駆け上がり、奥の資料部屋の扉を開ける。埃のたまった紙の束をかき分けながら、これからの調査に使えそうなものをピックアップした。
白の夜会で新たな人脈づくりをしないといけない。各貴族が所有する書庫には、託宣にまつわるものが時に眠っている。そこに潜り込むには、暇を持て余しているご夫人たちと親しくなるのが手っ取り早かった。
広げられたまま置かれていたノートがふと目に入った。そこにはふたつの託宣のことが書かれている。
そのひとつはルチアが受けたリシルの託宣、もうひとつがカイを星に堕とすオーンの託宣だ。
(夜会の前に、もう一度こんがり亭に行くか)
ルチアの顔が思い出され、カイはそんなことを考えた。彼女を一緒に連れていけば、戻ってきたイグナーツと引き合わせることができるかもしれない。
そうすればルチアのことはイグナーツに任せて、冬の間、自分は面倒を見ないでよくなるだろう。
「その方が調査に専念できるし……」
呟いて、頭の中で算段をつける。王都のタウンハウスから連れ出すには、それなりの理由が必要だ。イグナーツの使いで迎えに行くといったところが、いちばん安全且つそれらしいだろうか。
(オレが個人的にルチアを連れまわしたって噂が流れてもまずいからな)
社交界での浮ついた自分の立場は、カイ自身がいちばんよく知っている。ルチアの名誉に傷をつけるわけにはいかないので、そこは慎重に事を進めないとならなかった。
ブルーメ家にはベッティを行かせてあるので、侍女として共につければ誰かに見られても体裁は保てるだろう。
「まずは子爵に連絡を入れるか」
差し迫った白の夜会を前に、カイは急いで動き出した。