嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「この力を持つ人間はそう多くないわ。わたくしも数年前に知らされたの。ルチア様もさぞびっくりしたでしょう?」
「はい、一瞬のことで何が起きたのか分からなくて……。でもどうして金色だったって分かったんですか?」
「力はね、瞳の色に宿ると言われているの。だからわたくしは緑だし、ルチア様の力は金色をしているってわけね」
驚き顔のルチアはかつての自分のようだ。異形の知識も含め何も知らない状態で、これまで何かと苦労してきたに違いない。
「わたし、それを一度この子に向かって飛ばしてしまって。すごく怖がられてしまったんです」
「そう、力を上手に扱えないのは良くないわね。だったらエマニュエル様に頼んでみましょう」
「エマニュエル様に?」
「彼女ならとても分かりやすく教えてくれるわ。わたくしもね、力の扱い方はエマ様に習ったのよ」
「そう、なんですか」
ルチアはあまり乗り気でない様子だ。不思議に思ってリーゼロッテは小首をかしげた。
「エマ様は苦手?」
「あ、いえ、そんなことは……」
気まずそうに視線を逸らされる。そのとき近くにいた小鬼たちが一斉に逃げ散らばった。
「ジークヴァルト様」
「いい、そのまま座っていろ」
立ち上がりかけたリーゼロッテとルチアを制して、大股で近づいてくる。ジークヴァルトが一瞥をくれると、遠い片隅に寄り集まった小鬼たちはぴるぴると震え出した。ルチアの小鬼だけが、彼女の赤毛の奥へともぐりこんでいく。
サロン中の小鬼を一瞬で消し去るくらい、ジークヴァルトにとっては造作もないことだ。小鬼たちはそれを本能で分かっているのだろう。
「執務はよろしいのですか?」
「少し時間が空いた」
「あっ、ヴァルト様!」
気づいた時にはもう膝の上だった。迂闊にも油断をしていた自分が悔やまれる。
「もう! ルチア様もいらっしゃるのに」
「正式な茶会というわけでもないだろう。そら、あーんだ」
すかさずクッキーを詰め込まれ、条件反射のように飲み下す。目が合ったルチアに生温かい視線を返されてしまった。
そんな中、手際よくエラがジークヴァルトに紅茶をサーブした。その上でリーゼロッテに茶菓子を一皿差し出してくる。
「はい、一瞬のことで何が起きたのか分からなくて……。でもどうして金色だったって分かったんですか?」
「力はね、瞳の色に宿ると言われているの。だからわたくしは緑だし、ルチア様の力は金色をしているってわけね」
驚き顔のルチアはかつての自分のようだ。異形の知識も含め何も知らない状態で、これまで何かと苦労してきたに違いない。
「わたし、それを一度この子に向かって飛ばしてしまって。すごく怖がられてしまったんです」
「そう、力を上手に扱えないのは良くないわね。だったらエマニュエル様に頼んでみましょう」
「エマニュエル様に?」
「彼女ならとても分かりやすく教えてくれるわ。わたくしもね、力の扱い方はエマ様に習ったのよ」
「そう、なんですか」
ルチアはあまり乗り気でない様子だ。不思議に思ってリーゼロッテは小首をかしげた。
「エマ様は苦手?」
「あ、いえ、そんなことは……」
気まずそうに視線を逸らされる。そのとき近くにいた小鬼たちが一斉に逃げ散らばった。
「ジークヴァルト様」
「いい、そのまま座っていろ」
立ち上がりかけたリーゼロッテとルチアを制して、大股で近づいてくる。ジークヴァルトが一瞥をくれると、遠い片隅に寄り集まった小鬼たちはぴるぴると震え出した。ルチアの小鬼だけが、彼女の赤毛の奥へともぐりこんでいく。
サロン中の小鬼を一瞬で消し去るくらい、ジークヴァルトにとっては造作もないことだ。小鬼たちはそれを本能で分かっているのだろう。
「執務はよろしいのですか?」
「少し時間が空いた」
「あっ、ヴァルト様!」
気づいた時にはもう膝の上だった。迂闊にも油断をしていた自分が悔やまれる。
「もう! ルチア様もいらっしゃるのに」
「正式な茶会というわけでもないだろう。そら、あーんだ」
すかさずクッキーを詰め込まれ、条件反射のように飲み下す。目が合ったルチアに生温かい視線を返されてしまった。
そんな中、手際よくエラがジークヴァルトに紅茶をサーブした。その上でリーゼロッテに茶菓子を一皿差し出してくる。