嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
ツェツィーリアをまねてつんと顔をそらし、それでもクリスタは笑いながらフーゴの手を取った。
「ではわたしたちは先に広間へ移動します。ルカとツェツィーリア様の婚約で、今夜は挨拶回りに追われると思いますので……」
会場に行ったらゆっくり話はできないということだろう。
「今日はお会いできてうれしかったですわ」
「わたしたちも同じ気持ちです。では行こうか、クリスタ」
ダーミッシュの両親の背を見送って、自分はフーゲンベルクの人間になったのだと、リーゼロッテは改めて強く思った。もうダーミッシュ家は帰る場所ではないのだ。何とも言えないさみしさが、胸の奥に小さく灯った。
「大丈夫か?」
「はい、ヴァルト様」
ずっとジークヴァルトとともに歩むのだ。この先の人生に、不安なことはひとつもなかった。
「これからもよろしくお願いいたします、ジークヴァルトさ……いえ、あなた」
クリスタに倣ってそう呼んでみる。ドギマギしながら顔を見た。
ドンっと部屋が揺れ、リーゼロッテはとっさにジークヴァルトにしがみついた。腕の中見上げると、ジークヴァルトは信じられないものを見る目つきを向けている。
「……外でそれはやめろ」
「はい、そういたしますわ」
ジークヴァルトの動揺につられて、リーゼロッテの顔も盛大に熱を持ったのだった。
「ではわたしたちは先に広間へ移動します。ルカとツェツィーリア様の婚約で、今夜は挨拶回りに追われると思いますので……」
会場に行ったらゆっくり話はできないということだろう。
「今日はお会いできてうれしかったですわ」
「わたしたちも同じ気持ちです。では行こうか、クリスタ」
ダーミッシュの両親の背を見送って、自分はフーゲンベルクの人間になったのだと、リーゼロッテは改めて強く思った。もうダーミッシュ家は帰る場所ではないのだ。何とも言えないさみしさが、胸の奥に小さく灯った。
「大丈夫か?」
「はい、ヴァルト様」
ずっとジークヴァルトとともに歩むのだ。この先の人生に、不安なことはひとつもなかった。
「これからもよろしくお願いいたします、ジークヴァルトさ……いえ、あなた」
クリスタに倣ってそう呼んでみる。ドギマギしながら顔を見た。
ドンっと部屋が揺れ、リーゼロッテはとっさにジークヴァルトにしがみついた。腕の中見上げると、ジークヴァルトは信じられないものを見る目つきを向けている。
「……外でそれはやめろ」
「はい、そういたしますわ」
ジークヴァルトの動揺につられて、リーゼロッテの顔も盛大に熱を持ったのだった。