嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「夫君は乱れるあなたをお望みという事です。そうなったら遠慮はいりません。思い切り大胆に振る舞ってください。何、心配はいりませんよ。なにせあなたは、それとは知らずに媚薬を飲んでしまったのだから」
はしたないふるまいもすべて媚薬のせいにできるというわけだ。
貞淑な妻のみだらな姿を悦ばない男はいないだろう。がっつく女を敬遠する男もいるが、たまのことなら興奮せずにはいられないはずだ。
「もしも飲むのを止められてしまったら、そのときはまたわたしにお声がけください。そうなれば、あなたのご期待にきちんと応えさせていただきますよ」
にこやかな笑みとともに、夫人を扉の前までエスコートする。廊下に人気がないのを察知すると、カイは外へ誘うように扉を開けた。
「大丈夫、上手くいきますよ。どうぞ夫君と末永くおしあわせに」
恭しく腰を折り、丁重に退出を促した。手に媚薬を握り締め、高揚した様子で夫人は部屋を出ていった。
音を立てずに扉を閉めたあと、カイは背後の不穏な気配に振り返る。
「なんなの今の」
不信に満ちた顔のルチアが、カイを睨みつけていた。きつく閉じた拳が小刻みに震えている。それを気に留めるでもなく、カイは空になった手を広げて見せた。
「何? ルチアも媚薬、使ってみたかった?」
「違うわよ! もし本当にまたあの女がやってきたらカイはどうするつもりなの!」
「うん? どうするも何も、さっき彼女に言った通りにするだけだけど?」
絶句して、ルチアは目を見開いた。次の瞬間、金色の瞳に怒りの炎が燃え盛る。
「何よそれ、意味分かんない! さっきだって知らない女相手にみっともなくでれでれしちゃって……!」
かっとなり声を荒げたルチアを、一瞬でカイは腕に閉じ込めた。強引に唇を塞ぎ、それ以上言葉を紡げなくする。
「ルチア、たのしいことしよ?」
機嫌を損ねた女にはこうするのが手っ取り早い。
抱き寄せて口づける。初めは抵抗してきたルチアはすぐにふにゃふにゃになった。
はしたないふるまいもすべて媚薬のせいにできるというわけだ。
貞淑な妻のみだらな姿を悦ばない男はいないだろう。がっつく女を敬遠する男もいるが、たまのことなら興奮せずにはいられないはずだ。
「もしも飲むのを止められてしまったら、そのときはまたわたしにお声がけください。そうなれば、あなたのご期待にきちんと応えさせていただきますよ」
にこやかな笑みとともに、夫人を扉の前までエスコートする。廊下に人気がないのを察知すると、カイは外へ誘うように扉を開けた。
「大丈夫、上手くいきますよ。どうぞ夫君と末永くおしあわせに」
恭しく腰を折り、丁重に退出を促した。手に媚薬を握り締め、高揚した様子で夫人は部屋を出ていった。
音を立てずに扉を閉めたあと、カイは背後の不穏な気配に振り返る。
「なんなの今の」
不信に満ちた顔のルチアが、カイを睨みつけていた。きつく閉じた拳が小刻みに震えている。それを気に留めるでもなく、カイは空になった手を広げて見せた。
「何? ルチアも媚薬、使ってみたかった?」
「違うわよ! もし本当にまたあの女がやってきたらカイはどうするつもりなの!」
「うん? どうするも何も、さっき彼女に言った通りにするだけだけど?」
絶句して、ルチアは目を見開いた。次の瞬間、金色の瞳に怒りの炎が燃え盛る。
「何よそれ、意味分かんない! さっきだって知らない女相手にみっともなくでれでれしちゃって……!」
かっとなり声を荒げたルチアを、一瞬でカイは腕に閉じ込めた。強引に唇を塞ぎ、それ以上言葉を紡げなくする。
「ルチア、たのしいことしよ?」
機嫌を損ねた女にはこうするのが手っ取り早い。
抱き寄せて口づける。初めは抵抗してきたルチアはすぐにふにゃふにゃになった。