嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
人間関係をおさらいしつつ、次第に頭がこんがらがってくる。ある程度見知った者でもこんな感じなので、面識のない貴族などどうなることやらと不安になってきた。
(そういえばフーゲンベルク家とレルナー家が仲違いしたのは、このカミラ様が原因なんだっけ……)
なんでも先々代のレルナー公爵がティール公爵との賭けに負け、金品の代わりにまだ幼い娘のカミラを差し出したらしい。子どもを賭け事に利用したことに腹を立て、当時フーゲンベルク公爵だったジークベルトが、レルナー公爵に絶縁を言い渡したというのが事の顛末だ。
そんなわけでカミラはレルナー公爵令嬢からティール公爵令嬢となり、ティール家からグレーデン家に嫁いだという変わった経歴の持ち主だ。
弟のユリウスと普通に会話しているところを見ると、本人は隠すつもりはないようだ。だが表立って口にすべき話題ではない。そう思ってリーゼロッテは黙って流れを見守った。
「エルヴィン、紹介しよう。こちらがフーゲンベルク公爵とその奥方だ」
「お初にお目にかかります、グレーデン家跡取りのエルヴィンと申します。エーミールがいつもお世話になっております」
「ああ」
「そちらが噂の妖精姫でいらっしゃいますね。こんなにもお美しい方を伴侶に迎えられるとは、なんとも羨ましい」
お世辞だと分かっているので、リーゼロッテは静かに微笑むにとどめた。それなのにジークヴァルトからなぜか不機嫌オーラが漂ってくる。
「これは大変失礼いたしました。フーゲンベルク公爵様は愛する奥方様をお隠しになられたいご様子ですね」
「まぁ、そのようなこと……」
「おう、エルヴィン気をつけろ。フーゲンベルクの男は嫉妬深いからな」
にかっとユリウスに笑われて、リーゼロッテは恥ずかしくて目をそらした。同時にジークヴァルトの眉根が最大限に寄せられる。
「おっと、怖い怖い。ジークヴァルト、お前、もしかしてジークフリートより質悪いんじゃないか?」
そんな軽口が続く中、レルナー公爵が挨拶の壇上に立った。ツェツィーリアのお披露目から始まって、ルカとの婚約が正式に発表される。
(そういえばフーゲンベルク家とレルナー家が仲違いしたのは、このカミラ様が原因なんだっけ……)
なんでも先々代のレルナー公爵がティール公爵との賭けに負け、金品の代わりにまだ幼い娘のカミラを差し出したらしい。子どもを賭け事に利用したことに腹を立て、当時フーゲンベルク公爵だったジークベルトが、レルナー公爵に絶縁を言い渡したというのが事の顛末だ。
そんなわけでカミラはレルナー公爵令嬢からティール公爵令嬢となり、ティール家からグレーデン家に嫁いだという変わった経歴の持ち主だ。
弟のユリウスと普通に会話しているところを見ると、本人は隠すつもりはないようだ。だが表立って口にすべき話題ではない。そう思ってリーゼロッテは黙って流れを見守った。
「エルヴィン、紹介しよう。こちらがフーゲンベルク公爵とその奥方だ」
「お初にお目にかかります、グレーデン家跡取りのエルヴィンと申します。エーミールがいつもお世話になっております」
「ああ」
「そちらが噂の妖精姫でいらっしゃいますね。こんなにもお美しい方を伴侶に迎えられるとは、なんとも羨ましい」
お世辞だと分かっているので、リーゼロッテは静かに微笑むにとどめた。それなのにジークヴァルトからなぜか不機嫌オーラが漂ってくる。
「これは大変失礼いたしました。フーゲンベルク公爵様は愛する奥方様をお隠しになられたいご様子ですね」
「まぁ、そのようなこと……」
「おう、エルヴィン気をつけろ。フーゲンベルクの男は嫉妬深いからな」
にかっとユリウスに笑われて、リーゼロッテは恥ずかしくて目をそらした。同時にジークヴァルトの眉根が最大限に寄せられる。
「おっと、怖い怖い。ジークヴァルト、お前、もしかしてジークフリートより質悪いんじゃないか?」
そんな軽口が続く中、レルナー公爵が挨拶の壇上に立った。ツェツィーリアのお披露目から始まって、ルカとの婚約が正式に発表される。