嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「誰かの工房だったのかな……?」
マルコが使う以前、ここで暮らす人物がいたに違いない。この箱庭は王城の敷地内でも、かなり奥の方に位置している。そしてマルコが今寝起きしている東屋は、古くとも立派な造りのものだ。
今いる場所は王族の住まいだったのかもしれない。そう思い至りマルコはひぇっとおかしな声を漏らした。
(な、なんで神官見習いのボクがそんな場所に!?)
しかもここに移されたのは、王女殺害の犯人扱いされた後の話だ。閉じ込める必要があるにしても、平民の自分が暮らすには分不相応だと思えてしまう。
――自分の持つ夢見の力は、国の均衡を揺るがしかねないものだ
いつだかレミュリオに言われたことを思い出した。夢見の力が王家に知れたら、命を狙われることもあり得るのだ。あの日はそんな怖いことまで知らされた。
(おとなしく従っているうちは、命を取られることもないということか……)
マルコは今こうして軟禁されて、巫女の代わりに夢見の神事をさせられている。王族の住居に住まわせるくらいだ。レミュリオの言うように、それほど夢見の力とはこの国にとって重要なものなのだろう。
沈む気持ちの中、床に直に置いてあった絵を一枚拾い上げた。そこには花瓶に飾られた花が描かれている。王族の暇つぶしにしてはとても上手だ。才能豊かな人物だったのだろうと、マルコはほかの絵も一枚一枚確認していった。
大きさに違いはあれ、他の絵も植物や風景画がほとんどだった。どれかを東屋の部屋に飾ってみたい。だがあの茂みのアーチをくぐる際に絵を傷つけてしまいそうだ。
「その前にあそこをきれいに刈り取ろう」
やることができたマルコは途端に元気を取り戻した。どうせ逃げ出せないのなら、ここでの生活を工夫を凝らして楽しむよりほかはない。
(あ、あそこにもう一枚あった)
朝日が差し込み始めた窓際に、画架に乗せられた画板を新たに見つけた。それは今まで見たどの絵よりも大きなもので、上から白い布がかぶせられている。
「描きかけだったのかな……」
マルコが使う以前、ここで暮らす人物がいたに違いない。この箱庭は王城の敷地内でも、かなり奥の方に位置している。そしてマルコが今寝起きしている東屋は、古くとも立派な造りのものだ。
今いる場所は王族の住まいだったのかもしれない。そう思い至りマルコはひぇっとおかしな声を漏らした。
(な、なんで神官見習いのボクがそんな場所に!?)
しかもここに移されたのは、王女殺害の犯人扱いされた後の話だ。閉じ込める必要があるにしても、平民の自分が暮らすには分不相応だと思えてしまう。
――自分の持つ夢見の力は、国の均衡を揺るがしかねないものだ
いつだかレミュリオに言われたことを思い出した。夢見の力が王家に知れたら、命を狙われることもあり得るのだ。あの日はそんな怖いことまで知らされた。
(おとなしく従っているうちは、命を取られることもないということか……)
マルコは今こうして軟禁されて、巫女の代わりに夢見の神事をさせられている。王族の住居に住まわせるくらいだ。レミュリオの言うように、それほど夢見の力とはこの国にとって重要なものなのだろう。
沈む気持ちの中、床に直に置いてあった絵を一枚拾い上げた。そこには花瓶に飾られた花が描かれている。王族の暇つぶしにしてはとても上手だ。才能豊かな人物だったのだろうと、マルコはほかの絵も一枚一枚確認していった。
大きさに違いはあれ、他の絵も植物や風景画がほとんどだった。どれかを東屋の部屋に飾ってみたい。だがあの茂みのアーチをくぐる際に絵を傷つけてしまいそうだ。
「その前にあそこをきれいに刈り取ろう」
やることができたマルコは途端に元気を取り戻した。どうせ逃げ出せないのなら、ここでの生活を工夫を凝らして楽しむよりほかはない。
(あ、あそこにもう一枚あった)
朝日が差し込み始めた窓際に、画架に乗せられた画板を新たに見つけた。それは今まで見たどの絵よりも大きなもので、上から白い布がかぶせられている。
「描きかけだったのかな……」