嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
      ◇
 新年を迎え、元旦から二日にかけては、王城の客間に籠り切りでジークヴァルトと過ごした。三日の今日はアンネマリーに会いに行く予定だ。
 昼夜逆転しないよう強めに伝えたら、夜はきちんと眠らせてくれた。

(夜は……だけどね)

 乾いた笑いが口から漏れる。結局は日が昇っている時間帯に、ばっちり(あえ)がされたリーゼロッテだ。
 最近のジークヴァルトは焦らしのテクニックに磨きがかかっている。ソフトタッチで触れられて、決め手がないまま全身快楽に堕とされる。それが延々と続くのだ。
 日中の明るい部屋の中、涙目で身悶(みもだ)えるリーゼロッテを、ジークヴァルトは目で見て楽しんでいるようだった。

「どうした?」
「いえ、何でもございませんわ」

 そう返しつつも、つい遠い目になってしまう。リベンジの機会を伺っているが、いつでもジークヴァルトの好きにされる自分が情けなく思えた。
 気を取り直してアンネマリーの元へと向かう。王妃の離宮は基本男子禁制だ。今日は特別なお呼ばれなので、ジークヴァルトも一緒に奥へと通された。

「リーゼロッテ、待っていたわ」
「アンネマリー王妃殿下、本日はご招待ありがとうございます」
「今日は非公式な場よ。普段通りに接してちょうだい」

 王族への礼を解き、リーゼロッテはアンネマリーとハグをした。

「出産おめでとう。よかった、ちゃんと自分の口から伝えたいって思ってたの」
「ありがとう、リーゼロッテ。(じき)にハインリヒも来るから、それまではわたくしとおしゃべりしてましょう」

 ジークヴァルトは片隅のソファに追いやって、ふたりで同じ長椅子に腰かけた。

「アンネマリー、少しやせた?」
「授乳がね、思っていた以上にたいへんで。日に何度もあげなくてはならないし、しかも双子でしょう? いっぺんに飲んでくれるならまだいいのだけれど、寝て起きるタイミングも違っていたりして」
「まぁ、それではゆっくり休む暇もなさそうね」

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