嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「何よあれ、自慢げに」
「そんな暇あるならこっち手伝えっつぅの」
「どうせ浮気されてすぐ別れるに決まってるし」
「カールが忘れられなくって、体の関係だけでもいいって迫ってくる女、多いもんねぇ」
「それにしてもあれだけの浮名を流しといて、ひとりも孕ませてないって、何気にカールすごいよね」
「避妊はちゃんとしてくれるって噂」
「あー、それならどんだけ気持ちいいのか一回くらい試してみたいかも」
「もうやめなよ、そんなことぉ……」

 ノリノリの会話に、再び弱々しい声が差し込まれる。

「何言ってんのよ、気持ちいいって大事でしょ。あんたもどうして欲しいか、レオにちゃんと伝えなよ? でないとずっと痛いままかもよ?」
「そんなこと言えるわけないよぉ」
「あーそれ、言えるなら言ったがほうがいいわ。独りよがりの男って最悪だし」
「あといちいち言葉で確かめてくる男! あたしアレ、駄目だわ」
「分かる! こっちも演技して付き合ってるけど、毎回だといい加減にしろってなる!」

 止まらないおしゃべりに、ルチアは興味津々で聞き耳を立てていた。そのことに気がついたひとりが、ルチアにウィンクを飛ばしてくる。

「いい? ルチア、男は体の相性で選ぶんだよ?」
「好きならそんなの関係ないよぉ」
「だけどずっと苦痛が続くのもねぇ。特に初めてのときは、相手がうまいに越したことないじゃない?」
「そ、そんな! ルチア、真に受けちゃ駄目だからね!」
「いや、体の相性は大事でしょ」
「それで別れることだってよくあるもんね。まぁ、あたしも旦那にすんなら、相性より財布で選ぶけどさ!」

 どっと笑いが起きて、飽きることなくおしゃべりは続けられていく。
 そんな感じで盛り上がったまま、日が暮れる前にルチアは作業を切り上げ、先に家に帰されたのだった。

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