嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「マテアス、緊急事項のみだ」
入るなり言葉短く告げる。何と言われようと必要最小限の執務のみを熟し、一秒でも早く寝室に引っ込む心づもりだ。
リーゼロッテを抱えたままのジークヴァルトを軽く一瞥してから、マテアスはため息とともに立ち上がった。
「さほど切迫した案件はございません。が、明日の朝はさぼらずにきちんと顔をお出しくださいよ」
言いながら、ジークヴァルトの執務机後ろの床板の一部を持ち上げた。現れたのはいわゆる隠し通路だ。奥の階段を下っていくと、最短でジークヴァルトの寝室にたどり着く。
遠慮なく暗がりの通路に歩を進めた。今日はリーゼロッテの月のものが終わり、七日ぶりのまぐあい解禁日だ。待ちに待った吉日が王城出仕と重なり合って、朝からずっとげんなりしていた。その分足取りも早くなる。
「ん……ヴァルト様、まだ……」
「もう誰も見ていない」
真っ暗な中で口づけを深めていく。歩きながらも華奢な背中の胡桃釦を上から順に外していった。
突き当りの壁に力を流す。青が仄かに光ると同時に開いた扉を数歩も行けば、もうふたりの閨に辿り着いた。
細心の注意を払ってリーゼロッテを寝台に降ろす。組み敷いたリネンの上、柔らかな唇を飽きることなく啄んだ。
このまま快楽の海に溺れさせたいが、ジークヴァルトは一度リーゼロッテを抱き上げた。膝の間に座らせて、自身はヘッドボードに背を預ける。
「ヴァルトさま……?」
「何か話したいんだろう? 聞いている。好きなだけ話せ」
後ろから耳たぶを食みながら、薄い体を閉じ込めた。
王城に泊った際にリーゼロッテは言っていた。人目を気にせずふたりきりで話せる時間がうれしいと。
「この前のこと、覚えていてくださいましたのね」
「ああ」
首筋に口づけを落とすと、くすぐったそうに逃げていく。引き寄せてさらに強く吸いついた。
入るなり言葉短く告げる。何と言われようと必要最小限の執務のみを熟し、一秒でも早く寝室に引っ込む心づもりだ。
リーゼロッテを抱えたままのジークヴァルトを軽く一瞥してから、マテアスはため息とともに立ち上がった。
「さほど切迫した案件はございません。が、明日の朝はさぼらずにきちんと顔をお出しくださいよ」
言いながら、ジークヴァルトの執務机後ろの床板の一部を持ち上げた。現れたのはいわゆる隠し通路だ。奥の階段を下っていくと、最短でジークヴァルトの寝室にたどり着く。
遠慮なく暗がりの通路に歩を進めた。今日はリーゼロッテの月のものが終わり、七日ぶりのまぐあい解禁日だ。待ちに待った吉日が王城出仕と重なり合って、朝からずっとげんなりしていた。その分足取りも早くなる。
「ん……ヴァルト様、まだ……」
「もう誰も見ていない」
真っ暗な中で口づけを深めていく。歩きながらも華奢な背中の胡桃釦を上から順に外していった。
突き当りの壁に力を流す。青が仄かに光ると同時に開いた扉を数歩も行けば、もうふたりの閨に辿り着いた。
細心の注意を払ってリーゼロッテを寝台に降ろす。組み敷いたリネンの上、柔らかな唇を飽きることなく啄んだ。
このまま快楽の海に溺れさせたいが、ジークヴァルトは一度リーゼロッテを抱き上げた。膝の間に座らせて、自身はヘッドボードに背を預ける。
「ヴァルトさま……?」
「何か話したいんだろう? 聞いている。好きなだけ話せ」
後ろから耳たぶを食みながら、薄い体を閉じ込めた。
王城に泊った際にリーゼロッテは言っていた。人目を気にせずふたりきりで話せる時間がうれしいと。
「この前のこと、覚えていてくださいましたのね」
「ああ」
首筋に口づけを落とすと、くすぐったそうに逃げていく。引き寄せてさらに強く吸いついた。