嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「ふうん? ベッティがそう言うなら、まぁいいけど」
「はいぃ、ぜひその線で進めてくださいましぃ」

 ルチアの元にいても、欲しい答えは得られないかもしれない。それならそれで構わなかった。
 カイがいなくなったそのあとも、カイのために生きていく。ベッティの中でそれはもう決定事項となっていた。

「さぁさ、食べたら身支度済ませてさっさと帰ってくださいましぃ」
「ルチアもまだ寝てるしさ、もうちょっとゆっくりさせてよ」
「もう、仕方ないですねぇ。誰かに見つかっても知りませんよぅ」
「ベッティがいるから大丈夫でしょ」
「まったくぅ。いざとなったら雪の外に放り出しますからねぇ」

 頬をふくらませながら、ワゴンを天蓋の中に押し込んだ。

「ありがとう、ベッティ。頼りにしてるよ」

 カイはいい子いい子と頭を何度も撫でて来る。ベッティがこの手に弱いことを、カイもよく知っているから始末に悪い。

「プレッツェルはルチア様の大好物ですからぁ、坊ちゃまひとりで食べちゃ駄目ですからねぇ」
「りょーかい」

 あふと大きくあくびをしながら、カイは天蓋の中に引っ込んだ。ぎしりと寝台が揺れる音がして、本気で二度寝を決め込むようだ。

「ゆっくりお休みくださいましねぇ」

 小声で言って、ベッティは天蓋のそばをそっと離れた。

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