嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
例え弱い異形だとしても、そこにいれば鬱陶しく感じられるものだ。見た目もドロデロしているし、そこはかとなく負の念が漂ってくる。
エラが公爵家でモテモテなのも、エラ周辺は異形がまったくおらず空気が澄み切っているという理由が大きかった。
「そばにいるだけでいいんですからぁ、もっと自信持ってくださいよぅ」
「ベッティ、そのことなんだけど……」
今度はすがるような目を向けられた。女神エラの頼みとあらば、大抵のことは請け負うつもりでいるベッティだ。
「ベッティは異形を祓う力を持ってるでしょう? だから辺境の砦に行っている間、ベッティにリーゼロッテ奥様のことをお願いしたいの」
「身のまわりのお世話って言うよりぃ、異形からお守りするって感じですかぁ?」
「ええ。ベッティがルチア様付きの侍女ってことは分かってるわ。だけどこんなことを頼めるのはあなたしかいなくって」
公爵もついているというのに、リーゼロッテへの過保護ぶりはますます加速しているらしい。
「なんとか引き受けてくれないかしら? この大雪の中をわざわざ来させて申し訳なかったとは思ってるんだけど……」
最後に付け足された言葉に、ベッティはなぜルチアが呼ばれたのかを理解した。
恐らく旅路に同行できないエラが、リーゼロッテの身を案じてマテアスに泣きついたといったところだろう。公爵経由でディートリンデに打診し、ルチアを辺境の砦に招待する名目でベッティを呼び寄せたというのが真実のようだ。
(おかしいと思ってたんですよねぇ。滞在費用はすべて公爵家持ちですしぃ、迎えの馬車まで寄越してきましたからねぇ)
ルチアのついでで付いて来たつもりだったが、よもやルチアの方がついでだったとは。余程ベッティに来て欲しかったということだろう。
ルチアの旅行が決まったとき、カイには急ぎ手紙を送った。突然のことだったので、うまく伝達できたかそれだけが心配だ。
カイも任務で各地を動き回っている。入れ違いでブルーメ領に向かっていたら、カイの時間を無駄にさせることになってしまう。
そんなことを考えながら、ベッティは不安げに返答を待つエラに笑顔を向けた。
「このベッティでよろしければぁ、全力でリーゼロッテ様のお力にならせていただきますよぅ」
力強く頷いたベッティに、エラは心よりほっとした顔をした。
エラが公爵家でモテモテなのも、エラ周辺は異形がまったくおらず空気が澄み切っているという理由が大きかった。
「そばにいるだけでいいんですからぁ、もっと自信持ってくださいよぅ」
「ベッティ、そのことなんだけど……」
今度はすがるような目を向けられた。女神エラの頼みとあらば、大抵のことは請け負うつもりでいるベッティだ。
「ベッティは異形を祓う力を持ってるでしょう? だから辺境の砦に行っている間、ベッティにリーゼロッテ奥様のことをお願いしたいの」
「身のまわりのお世話って言うよりぃ、異形からお守りするって感じですかぁ?」
「ええ。ベッティがルチア様付きの侍女ってことは分かってるわ。だけどこんなことを頼めるのはあなたしかいなくって」
公爵もついているというのに、リーゼロッテへの過保護ぶりはますます加速しているらしい。
「なんとか引き受けてくれないかしら? この大雪の中をわざわざ来させて申し訳なかったとは思ってるんだけど……」
最後に付け足された言葉に、ベッティはなぜルチアが呼ばれたのかを理解した。
恐らく旅路に同行できないエラが、リーゼロッテの身を案じてマテアスに泣きついたといったところだろう。公爵経由でディートリンデに打診し、ルチアを辺境の砦に招待する名目でベッティを呼び寄せたというのが真実のようだ。
(おかしいと思ってたんですよねぇ。滞在費用はすべて公爵家持ちですしぃ、迎えの馬車まで寄越してきましたからねぇ)
ルチアのついでで付いて来たつもりだったが、よもやルチアの方がついでだったとは。余程ベッティに来て欲しかったということだろう。
ルチアの旅行が決まったとき、カイには急ぎ手紙を送った。突然のことだったので、うまく伝達できたかそれだけが心配だ。
カイも任務で各地を動き回っている。入れ違いでブルーメ領に向かっていたら、カイの時間を無駄にさせることになってしまう。
そんなことを考えながら、ベッティは不安げに返答を待つエラに笑顔を向けた。
「このベッティでよろしければぁ、全力でリーゼロッテ様のお力にならせていただきますよぅ」
力強く頷いたベッティに、エラは心よりほっとした顔をした。