嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「アデライーデお姉様、申し訳ございません……」
「あら、いいのよ。リーゼロッテは何も悪くないわ」
「そうだ、なぜお前が謝る?」
「それはヴァルト様が……」
「そうよ、全部ヴァルトが悪いわ」
ふたりから同時に責められて、ジークヴァルトの眉間にしわが寄った。
「ぷっ、ヴァルトにそんな顔をさせられるのは、ほんとリーゼロッテだけね」
アデライーデの指先がリーゼロッテの頬をくすぐろうとする。それが届く一瞬手前で、ジークヴァルトはさっとリーゼロッテを抱え込んだ。
「おう、オレの存在を忘れてんじゃねぇよ」
「はいはい、騎士団長様は寂しがりでいらっしゃいますこと」
「あんだぁ? ひとを子供みたいに」
「これは失礼を言ってしまったわ。今日び子供の方が余程聞き分けがいいものね」
「あん? アデリー、お前このオレに喧嘩を売ってんのか?」
アデライーデとバルバナスが言い合うたびに、リーゼロッテのはらはら顔があっちにこっちに向けられる。
「問題ない。いつものことだ」
「ですがヴァルト様……」
「ほら、リーゼロッテが怖がってるじゃない」
「知るか。もう行くぞ、アデライーデ」
ついて来るのが当然とばかりに、バルバナスは背を向けた。ずかずかと去っていく後ろ姿に、大げさにアデライーデは肩をすくませる。
「じゃあ、わたしも行くわ。舞踏会のときにでもゆっくり話しましょう?」
「アデライーデお姉様もお出になられるのですね!」
「ええ、この騎士服で出るつもり。またリーゼロッテと踊れるわね」
「まぁ! うれしいですわ、お姉様」
「嫌とは言わせないわよ、ジークヴァルト?」
むっとしたのが伝わったのか、先制攻撃を受けてしまった。ジークヴァルトの口元がさらにへの字に曲げられる。
「あら、いいのよ。リーゼロッテは何も悪くないわ」
「そうだ、なぜお前が謝る?」
「それはヴァルト様が……」
「そうよ、全部ヴァルトが悪いわ」
ふたりから同時に責められて、ジークヴァルトの眉間にしわが寄った。
「ぷっ、ヴァルトにそんな顔をさせられるのは、ほんとリーゼロッテだけね」
アデライーデの指先がリーゼロッテの頬をくすぐろうとする。それが届く一瞬手前で、ジークヴァルトはさっとリーゼロッテを抱え込んだ。
「おう、オレの存在を忘れてんじゃねぇよ」
「はいはい、騎士団長様は寂しがりでいらっしゃいますこと」
「あんだぁ? ひとを子供みたいに」
「これは失礼を言ってしまったわ。今日び子供の方が余程聞き分けがいいものね」
「あん? アデリー、お前このオレに喧嘩を売ってんのか?」
アデライーデとバルバナスが言い合うたびに、リーゼロッテのはらはら顔があっちにこっちに向けられる。
「問題ない。いつものことだ」
「ですがヴァルト様……」
「ほら、リーゼロッテが怖がってるじゃない」
「知るか。もう行くぞ、アデライーデ」
ついて来るのが当然とばかりに、バルバナスは背を向けた。ずかずかと去っていく後ろ姿に、大げさにアデライーデは肩をすくませる。
「じゃあ、わたしも行くわ。舞踏会のときにでもゆっくり話しましょう?」
「アデライーデお姉様もお出になられるのですね!」
「ええ、この騎士服で出るつもり。またリーゼロッテと踊れるわね」
「まぁ! うれしいですわ、お姉様」
「嫌とは言わせないわよ、ジークヴァルト?」
むっとしたのが伝わったのか、先制攻撃を受けてしまった。ジークヴァルトの口元がさらにへの字に曲げられる。