嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
辺境の砦に来るほんの少し前まで、ルチアはカイとふたりで濃密な日を過ごしていた。誰も知らない隠れ家で、裸のまま暖炉の炎に照らされながら、何度も何度も愛し合った。
敏感な場所に触れる指。こすれ合う肌。余裕のない息遣い。
ルチアはあのカイを知っている。
言いようのない優越感がこみ上げる中、カイにしなだれかる夫人を冷めた視線でチラ見した。
カイの遊び相手は既婚者ばかりだ。でもルチアは違う。だからこそ大っぴらに会えないのだと、もう一度自分に言い聞かせた。
(カイはきっと、結婚って形に縛られたくないのよ)
嫉妬に狂ってカイを失うくらいなら、夫人との火遊びなど寛容な心で許さなくては。
(いつかカイ以外の誰かに嫁ぐことになったとしても……)
数いるカイの遊び相手のひとりに、ルチアが加わると言うだけの話だ。
ダンスフロアに軽快なワルツの調べが流れ始める。
これ以上黒い感情が育たないようにと、思考を停止したまま、ルチアはエーミールのリードに身を任せた。
敏感な場所に触れる指。こすれ合う肌。余裕のない息遣い。
ルチアはあのカイを知っている。
言いようのない優越感がこみ上げる中、カイにしなだれかる夫人を冷めた視線でチラ見した。
カイの遊び相手は既婚者ばかりだ。でもルチアは違う。だからこそ大っぴらに会えないのだと、もう一度自分に言い聞かせた。
(カイはきっと、結婚って形に縛られたくないのよ)
嫉妬に狂ってカイを失うくらいなら、夫人との火遊びなど寛容な心で許さなくては。
(いつかカイ以外の誰かに嫁ぐことになったとしても……)
数いるカイの遊び相手のひとりに、ルチアが加わると言うだけの話だ。
ダンスフロアに軽快なワルツの調べが流れ始める。
これ以上黒い感情が育たないようにと、思考を停止したまま、ルチアはエーミールのリードに身を任せた。