嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
 事の次第を伝えると、探った懐からカイが何かを取り出した。
 掲げたチェーンの先で銀製のロケットペンダントが揺れている。

「もしかしてこれ?」
「それですぅ! どこにあったんですかぁ?」
「広間の片隅に落ちてたよ? あとで辺境伯に届けようと思ってたんだけど」
「よかったですぅ。ルチア様もおよろこびになりますよぅ」

 これであっさり任務完了だ。ほっとしてベッティはカイからそれを受け取ろうとした。
 しかしカイはさっとペンダントを遠ざけた。カイの謎な行動にベッティの眉間にしわが寄る。

「坊ちゃま……?」
「ああ、うん。ルチアに伝えといてよ。次会いに行くときまでこれはオレが預かってるからって」
「はぁ? なんでカイ坊ちゃまがぁ?」
「いいから、いいから。とにかくそう伝えといて」

 再び懐にしまい込むと、カイはベッティの頭をいい子いい子と何度か撫でた。

「じゃあ、そういうことでよろしく」

 それだけ言い残し、カイは上機嫌な様子でさっさと行ってしまった。

「……なんなんですかぁ、あれはぁ?」

 頭にはてなマークを飛ばしつつ、取り急ぎ報告せねばとベッティはルチアの元に戻っていった。

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