嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「ここは危険です! 早く東側に避難を!」
途中若い騎士に呼び止められるも、舞踏会の招待客に間違われたのをいいことにツェーザルは堂々と安全な場所に移動した。
人気のない区画で、背後からその騎士に襲い掛かった。不意打ちに昏倒した騎士から剣を奪い去り、迷わず砦の出口に向かう。
(馬さえ手に入ればこっちのものだ)
多少の雪には慣れたものだ。たどり着いた先で誰かしら貴族を見つければ、その先はどうにでもできる。何しろこの頭の中には、各家の弱みが山ほど記憶されているのだから。
「ようやく、ようやくだ……」
取り戻した自由もあって、抑えきれない高揚感が止めどなく湧き上がる。
あの日潰えた大望を叶える時が来たのだ。ツェーザルは己の栄光ある未来を確信した。
同時にこれまで耐え忍んできた屈辱の数々が思い起こされる。ツェーザルの瞳に復讐の炎が燃え盛った。
「まずはディートリヒ……そしてイジドーラ、お前もだ」
手塩にかけて可愛がってきた妹だ。その裏切りは誰よりも罪が重い。
恐怖に打ち震えながら断頭台に昇るイジドーラの姿を思い描き、ツェーザルは至福の笑みをその口元に浮かべた。
途中若い騎士に呼び止められるも、舞踏会の招待客に間違われたのをいいことにツェーザルは堂々と安全な場所に移動した。
人気のない区画で、背後からその騎士に襲い掛かった。不意打ちに昏倒した騎士から剣を奪い去り、迷わず砦の出口に向かう。
(馬さえ手に入ればこっちのものだ)
多少の雪には慣れたものだ。たどり着いた先で誰かしら貴族を見つければ、その先はどうにでもできる。何しろこの頭の中には、各家の弱みが山ほど記憶されているのだから。
「ようやく、ようやくだ……」
取り戻した自由もあって、抑えきれない高揚感が止めどなく湧き上がる。
あの日潰えた大望を叶える時が来たのだ。ツェーザルは己の栄光ある未来を確信した。
同時にこれまで耐え忍んできた屈辱の数々が思い起こされる。ツェーザルの瞳に復讐の炎が燃え盛った。
「まずはディートリヒ……そしてイジドーラ、お前もだ」
手塩にかけて可愛がってきた妹だ。その裏切りは誰よりも罪が重い。
恐怖に打ち震えながら断頭台に昇るイジドーラの姿を思い描き、ツェーザルは至福の笑みをその口元に浮かべた。