嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「そんなわけだから、これからはあんま毛嫌いしないでやってよ」
「最初から毛嫌いなどしていない」
「そう? ならさ、ついでに何かあったときはベッティにやさしくしてくれると助かるんだけど」
「どんなついでだ。言われなくとも困った人間がいたら助けるのが騎士と言うものだろう」
「はは、さすがはグレーデン殿。頼りになるね」
軽口を叩きながらも、それぞれ右と左に気を配り隅々まで隙なく見回っていく。
ほどなくして、感じた異変にカイは廊下の先へと意識を向けた。
人が争う気配、煽るような異形の悪意。そしてそこに時折混じる、弱々しい浄化の力。
「ベッティ……!」
「おい、忌み児!」
駆け出したカイを、一瞬遅れてエーミールも追いかけてくる。
ふたりの男にタコ殴りにされながら、向こうに進もうとしている別の男の足にベッティは行かせまいと必死にしがみついていた。
「ざっけんなっ」
姿勢低く俊足で迫ったカイは、流れ技であっという間に男たちを昏倒させた。出遅れたエーミールがとどめの一撃を食らわせる。
抱き起こし、怪我の具合を確かめた。どこも致命傷には至っていない。むしろ力を使い果たして脱力しているベッティに、カイは応急処置で自身の力を軽く吹き込んだ。
「ベッティ、しゃべれる?」
「坊ちゃま……は、やく、ルチア様をぉ……」
「ルチアはどこ?」
「西側にぃ」
「分かった」
立ち上がろうとしたカイの袖を、ベッティが力なく掴んでくる。
「ルチア様、今日なぜか異形に狙われててぇ……あの、紅のいぎょ……う、にぃ」
「星を堕とす者に?」
「最初から毛嫌いなどしていない」
「そう? ならさ、ついでに何かあったときはベッティにやさしくしてくれると助かるんだけど」
「どんなついでだ。言われなくとも困った人間がいたら助けるのが騎士と言うものだろう」
「はは、さすがはグレーデン殿。頼りになるね」
軽口を叩きながらも、それぞれ右と左に気を配り隅々まで隙なく見回っていく。
ほどなくして、感じた異変にカイは廊下の先へと意識を向けた。
人が争う気配、煽るような異形の悪意。そしてそこに時折混じる、弱々しい浄化の力。
「ベッティ……!」
「おい、忌み児!」
駆け出したカイを、一瞬遅れてエーミールも追いかけてくる。
ふたりの男にタコ殴りにされながら、向こうに進もうとしている別の男の足にベッティは行かせまいと必死にしがみついていた。
「ざっけんなっ」
姿勢低く俊足で迫ったカイは、流れ技であっという間に男たちを昏倒させた。出遅れたエーミールがとどめの一撃を食らわせる。
抱き起こし、怪我の具合を確かめた。どこも致命傷には至っていない。むしろ力を使い果たして脱力しているベッティに、カイは応急処置で自身の力を軽く吹き込んだ。
「ベッティ、しゃべれる?」
「坊ちゃま……は、やく、ルチア様をぉ……」
「ルチアはどこ?」
「西側にぃ」
「分かった」
立ち上がろうとしたカイの袖を、ベッティが力なく掴んでくる。
「ルチア様、今日なぜか異形に狙われててぇ……あの、紅のいぎょ……う、にぃ」
「星を堕とす者に?」