嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
ふとカイは弱々しい手つきで懐を探った。
取り出した銀のペンダントをルチアに掲げてくる。
「忘れる前にこれ、返しとかなきゃ……ごめん、なんか汚しちゃ……って」
血のついたペンダントがしゃらりとルチアの手のひらに落とされた。
しっかりと受け取ったのを確認すると、カイは小さく息をつく。
「ルチア……」
柔らかな頬に手を伸ばした。
血のついた指が、ルチアの頬を赤く染めていく。
(ずっと……ずっと探していたんだ。オレが星に堕ちるための納得のいく理由を)
カイと対をなす運命の相手――
(それがルチア……君でよかった)
「オレ、ルチアに会えて……本当に、うれしか……った」
浅い呼吸の合間、切れ切れに言葉を紡ぐ。
「無理にしゃべらないで」
ルチアの金色の瞳から大粒の涙が溢れ出す。
その涙が滑り落ちては、カイの指を幾筋も伝っていった。まるで洗い流すかのようにカイの血を薄めていく。
(ああ、綺麗だ)
この目に映るルチアの涙は、キラキラと輝く宝石のようだ。
(オレのためだけに流れる涙――なんて、なんて綺麗なんだ)
カイは琥珀色の瞳を細め、しあわせそうに微笑んだ。
「ルチア、オレのルチア」
大切なものに触れるように、カイは濡れるルチアの頬にその指を何度も何度も滑らせた。
「ルチア、ずっと、あ……」
言いかけて、カイは言葉を止めた。もう直に自分は星に堕ちるだろう。
ルチアにはずっと笑っていてほしかった。その未来に、例え自分がいないのだとしても。
これ以上苦しめたくない。あれほど消えない楔を、ルチアの心に残していきたいと願っていたはずなのに――。
矛盾するこの思いに、カイは自分でも可笑しくなってしまった。
とろけるような笑顔を浮かべ、ルチアを縛る呪いの代わりにカイは別の言葉を選び取る。
「ルチア……今まで、本当にあ……りが、と……」
取り出した銀のペンダントをルチアに掲げてくる。
「忘れる前にこれ、返しとかなきゃ……ごめん、なんか汚しちゃ……って」
血のついたペンダントがしゃらりとルチアの手のひらに落とされた。
しっかりと受け取ったのを確認すると、カイは小さく息をつく。
「ルチア……」
柔らかな頬に手を伸ばした。
血のついた指が、ルチアの頬を赤く染めていく。
(ずっと……ずっと探していたんだ。オレが星に堕ちるための納得のいく理由を)
カイと対をなす運命の相手――
(それがルチア……君でよかった)
「オレ、ルチアに会えて……本当に、うれしか……った」
浅い呼吸の合間、切れ切れに言葉を紡ぐ。
「無理にしゃべらないで」
ルチアの金色の瞳から大粒の涙が溢れ出す。
その涙が滑り落ちては、カイの指を幾筋も伝っていった。まるで洗い流すかのようにカイの血を薄めていく。
(ああ、綺麗だ)
この目に映るルチアの涙は、キラキラと輝く宝石のようだ。
(オレのためだけに流れる涙――なんて、なんて綺麗なんだ)
カイは琥珀色の瞳を細め、しあわせそうに微笑んだ。
「ルチア、オレのルチア」
大切なものに触れるように、カイは濡れるルチアの頬にその指を何度も何度も滑らせた。
「ルチア、ずっと、あ……」
言いかけて、カイは言葉を止めた。もう直に自分は星に堕ちるだろう。
ルチアにはずっと笑っていてほしかった。その未来に、例え自分がいないのだとしても。
これ以上苦しめたくない。あれほど消えない楔を、ルチアの心に残していきたいと願っていたはずなのに――。
矛盾するこの思いに、カイは自分でも可笑しくなってしまった。
とろけるような笑顔を浮かべ、ルチアを縛る呪いの代わりにカイは別の言葉を選び取る。
「ルチア……今まで、本当にあ……りが、と……」