嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
「あの、それで……ヴァルト様はいつお戻りになられるのでしょうか?」
遊びで滞在しているわけではないのは分かっているが、もうひと月近く顔を見ていない。
せめて帰ってくる日のめどくらい、聞いたとしてもバチは当たらないはずだ。
『今ちょうど砦を出たってさ。王城に寄ってから帰るって言ってるよ』
「まぁ、よかったですわ! 慌てずお気をつけて帰ってきてくださいませね。わたくし本当に大人しく待っておりますから」
『え? 今すぐこっちに移動させろ? 嫌だよそんな重労働。それにこの距離じゃあ、ヴァルトを引っ張ってくる前にオレがそっちに飛んでっちゃうかもよ?』
体を左右に揺らしながら、ジークハルトが楽しそうに言った。
視線が斜め上を向き、何やらうんうんと頷いている。どういう原理なのかは良く分からないが、遠隔でジークヴァルトと会話をしているのだろう。
『なに? それは駄目だって? だったら急いで帰ってきなよ。じゃあ戻るまではもう繋がないから。え~、だって気が散って落馬しても困るじゃない。はいはい、だからヴァルトは頑張って帰ってきなって。はい、はい、はい、じゃあもう切るね~、は~い、は~い』
まるで長電話を無理やり終わらせるようなやり取りだ。
始めは物珍し気に眺めていたが、完全に通話を切った様子のジークハルトにリーゼロッテは曇った表情を向けた。
「ヴァルト様は馬車ではなく、馬に乗って帰って来られるのですか?」
『その方が早いからね。多分明日には帰ってくるんじゃないかな?』
「え、でも、数日はかかりますでしょう?」
『ヴァルトのことだから、リーゼロッテ会いたさに寝ないで馬を走らせてくると思うよ』
「そのような無茶をして大丈夫でしょうか……」
『ジークヴァルトにしてみれば、リーゼロッテに会えない方が大丈夫じゃないんだってば』
しかしいくらなんでもそんなに早くは戻って来られまい。
(期待して会えないのはさみしすぎるし……)
そう思ったリーゼロッテは、ジークハルトの言葉を話半分で受け取った。
翌日の夕刻、本当にジークヴァルトが帰ってくるとは、夢にも思わなかったリーゼロッテだった。
遊びで滞在しているわけではないのは分かっているが、もうひと月近く顔を見ていない。
せめて帰ってくる日のめどくらい、聞いたとしてもバチは当たらないはずだ。
『今ちょうど砦を出たってさ。王城に寄ってから帰るって言ってるよ』
「まぁ、よかったですわ! 慌てずお気をつけて帰ってきてくださいませね。わたくし本当に大人しく待っておりますから」
『え? 今すぐこっちに移動させろ? 嫌だよそんな重労働。それにこの距離じゃあ、ヴァルトを引っ張ってくる前にオレがそっちに飛んでっちゃうかもよ?』
体を左右に揺らしながら、ジークハルトが楽しそうに言った。
視線が斜め上を向き、何やらうんうんと頷いている。どういう原理なのかは良く分からないが、遠隔でジークヴァルトと会話をしているのだろう。
『なに? それは駄目だって? だったら急いで帰ってきなよ。じゃあ戻るまではもう繋がないから。え~、だって気が散って落馬しても困るじゃない。はいはい、だからヴァルトは頑張って帰ってきなって。はい、はい、はい、じゃあもう切るね~、は~い、は~い』
まるで長電話を無理やり終わらせるようなやり取りだ。
始めは物珍し気に眺めていたが、完全に通話を切った様子のジークハルトにリーゼロッテは曇った表情を向けた。
「ヴァルト様は馬車ではなく、馬に乗って帰って来られるのですか?」
『その方が早いからね。多分明日には帰ってくるんじゃないかな?』
「え、でも、数日はかかりますでしょう?」
『ヴァルトのことだから、リーゼロッテ会いたさに寝ないで馬を走らせてくると思うよ』
「そのような無茶をして大丈夫でしょうか……」
『ジークヴァルトにしてみれば、リーゼロッテに会えない方が大丈夫じゃないんだってば』
しかしいくらなんでもそんなに早くは戻って来られまい。
(期待して会えないのはさみしすぎるし……)
そう思ったリーゼロッテは、ジークハルトの言葉を話半分で受け取った。
翌日の夕刻、本当にジークヴァルトが帰ってくるとは、夢にも思わなかったリーゼロッテだった。