嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
カイの声が頭に響く。
そこから導き出された答えに、リーゼロッテはひとり絶句した。
(カイ様が……星を堕とす者になったと言うの……?)
自分でも何を言っているのか分からない。
だが黒塗り部分は今も目の前に存在しており、その場所以外カイの居場所はあり得なかった。
「ヴァルト様……」
呟いて、リーゼロッテはいきなり書庫を飛び出した。
ジークヴァルトならこの事実を否定してくれるはず。そう信じ、真っ白になった頭のまま執務室の扉を誰何のやり取りもなしに開け放った。
「ジークヴァルト様!」
「リーゼロッテ? どうしたんだ」
突然やってきたリーゼロッテを、驚き顔で抱きとめる。
ジークヴァルトが仕事中なのも忘れ、リーゼロッテは泣きじゃくって胸にしがみついた。
「一体何があった?」
「見つから……いの……ぃかんに……の、名が……」
しゃくり上げるばかりのリーゼロッテにジークヴァルトは眉根を寄せる。
取り乱す肩を支え、リーゼロッテの顔を自分の方へと上向かせた。
「落ち着け。ちゃんと聞く。大丈夫だ、ゆっくり話せ」
「ないのです! 名鑑に、カイ様のお名前が……!」
懸命に張り上げられた声に、ジークヴァルトが息を飲んだのが分かった。
涙でぼやける視界の向こう、ジークヴァルトと目を見合わせる。
青い瞳の奥にある違和感――何か後ろめたさのようなものを、敏感にリーゼロッテは感じ取った。
「……もしかして、知ってらしたのですか? ヴァルト様はカイ様が星に堕ちたことを……」
そこから導き出された答えに、リーゼロッテはひとり絶句した。
(カイ様が……星を堕とす者になったと言うの……?)
自分でも何を言っているのか分からない。
だが黒塗り部分は今も目の前に存在しており、その場所以外カイの居場所はあり得なかった。
「ヴァルト様……」
呟いて、リーゼロッテはいきなり書庫を飛び出した。
ジークヴァルトならこの事実を否定してくれるはず。そう信じ、真っ白になった頭のまま執務室の扉を誰何のやり取りもなしに開け放った。
「ジークヴァルト様!」
「リーゼロッテ? どうしたんだ」
突然やってきたリーゼロッテを、驚き顔で抱きとめる。
ジークヴァルトが仕事中なのも忘れ、リーゼロッテは泣きじゃくって胸にしがみついた。
「一体何があった?」
「見つから……いの……ぃかんに……の、名が……」
しゃくり上げるばかりのリーゼロッテにジークヴァルトは眉根を寄せる。
取り乱す肩を支え、リーゼロッテの顔を自分の方へと上向かせた。
「落ち着け。ちゃんと聞く。大丈夫だ、ゆっくり話せ」
「ないのです! 名鑑に、カイ様のお名前が……!」
懸命に張り上げられた声に、ジークヴァルトが息を飲んだのが分かった。
涙でぼやける視界の向こう、ジークヴァルトと目を見合わせる。
青い瞳の奥にある違和感――何か後ろめたさのようなものを、敏感にリーゼロッテは感じ取った。
「……もしかして、知ってらしたのですか? ヴァルト様はカイ様が星に堕ちたことを……」