嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
(カイ様は本当に星に堕ちたんだわ……そしてそうなることを、カイ様は事前に知っていた……)
これは一体どういうことなのだろうか。
泣き暮れるしかできないリーゼロッテの頭では、いたずらに混乱が増すばかりだ。
「ねぇ、ベッティ。カイ様は託宣をお持ちだったわよね?」
「坊ちゃまが……? ルチア様でしたら龍のあざをふたつお持ちでしたがぁ」
「ルチア様が?」
しかもふたつもとは驚きだ。
「でも砦でのことが起きたあとぉ、そのあざが消えてしまっていたんですぅ」
「あざが?」
「はいぃ、ふたつとも綺麗さっぱりぃ。舞踏会の支度をしてたときはぁ、確かにまだあったんですけどねぇ」
「龍のあざって消えるものなの……?」
「あるぇ? 託宣を果たすと消えるってぇ、わたしはそう推測してたんですがぁ……違うんですかぁ?」
逆に問い返されて、リーゼロッテは返事に困ってしまった。
「龍のあざってぇ、龍から託宣を受けた者の証なんですよねぇ?」
「ええ、そうよ」
「ああ、やっぱりそうでしたかぁ」
「ベッティは何も知らないでハインリヒ様のお相手を探していたの?」
「わたしはあざを持つ者を探すように言われただけですのでぇ。坊ちゃまから詳しいことはなぁんも聞かされていないんですよぅ」
どこなく寂しげなベッティに、知らず顔を曇らせる。
そんなリーゼロッテに気づくと、ベッティはくすっと小さな笑みを漏らした。
「お気遣いはいりませんよぅ。諜報員なんてものはぁ、いちいち理由なんか聞かされないものですからぁ。それはさておきぃ……」
再び真顔になったベッティは、独り言のように呟いた。
「ってことはぁ、持っていた託宣をルチア様はふたつ同時に果たされたってことですよねぇ」
「ベッティは託宣の内容を知っているの?」
「わたしは何もぉ。ルチア様自身は託宣の存在すらご存じないはずですぅ。坊ちゃまは全部知っていたようでしたがぁ」
そこでベッティは言葉を切った。
すぐに何かを思い出した様子で、リーゼロッテに視線を向けてくる。
これは一体どういうことなのだろうか。
泣き暮れるしかできないリーゼロッテの頭では、いたずらに混乱が増すばかりだ。
「ねぇ、ベッティ。カイ様は託宣をお持ちだったわよね?」
「坊ちゃまが……? ルチア様でしたら龍のあざをふたつお持ちでしたがぁ」
「ルチア様が?」
しかもふたつもとは驚きだ。
「でも砦でのことが起きたあとぉ、そのあざが消えてしまっていたんですぅ」
「あざが?」
「はいぃ、ふたつとも綺麗さっぱりぃ。舞踏会の支度をしてたときはぁ、確かにまだあったんですけどねぇ」
「龍のあざって消えるものなの……?」
「あるぇ? 託宣を果たすと消えるってぇ、わたしはそう推測してたんですがぁ……違うんですかぁ?」
逆に問い返されて、リーゼロッテは返事に困ってしまった。
「龍のあざってぇ、龍から託宣を受けた者の証なんですよねぇ?」
「ええ、そうよ」
「ああ、やっぱりそうでしたかぁ」
「ベッティは何も知らないでハインリヒ様のお相手を探していたの?」
「わたしはあざを持つ者を探すように言われただけですのでぇ。坊ちゃまから詳しいことはなぁんも聞かされていないんですよぅ」
どこなく寂しげなベッティに、知らず顔を曇らせる。
そんなリーゼロッテに気づくと、ベッティはくすっと小さな笑みを漏らした。
「お気遣いはいりませんよぅ。諜報員なんてものはぁ、いちいち理由なんか聞かされないものですからぁ。それはさておきぃ……」
再び真顔になったベッティは、独り言のように呟いた。
「ってことはぁ、持っていた託宣をルチア様はふたつ同時に果たされたってことですよねぇ」
「ベッティは託宣の内容を知っているの?」
「わたしは何もぉ。ルチア様自身は託宣の存在すらご存じないはずですぅ。坊ちゃまは全部知っていたようでしたがぁ」
そこでベッティは言葉を切った。
すぐに何かを思い出した様子で、リーゼロッテに視線を向けてくる。