嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
ブランケットに隠れてふたりはこそこそ何かを言い合っている。
バレていないとでも思っているのだろうが、いちゃついているのが丸わかりだ。
あんな光景をこれまでは遠い目をしてやり過ごしてきた。
だが今はエラがいる。ダメージを負う理由は皆無。もはやマテアスに一切の死角なしだ。
最愛の妻に視線を戻すと、そのエラもリーゼロッテたちをじっと見つめていた。
しばらく黙って見下ろしていたが、いくら待てどもエラはいたずらに食べる手を止めたままでいる。
我がことのように幸せな表情をして、布越しにもぞもぞ動くふたりの動向を見守り続ける。このままでは折角のハーブティーが冷め切ってしまいそうだ。
何よりエラの意識がマテアスのもてなしから逸れてしまい、それが少しばかり面白くなく感じられた。
時計を見ると休憩時間も残り僅か。
そんなときふとマテアスにいたずら心が湧いてきた。
無防備な肩を指でとんとん叩く。
はっとしたエラがこちらを向いたところで、マテアスは素早く唇を奪い取った。
エラがぽかんとマテアスを見上げている。
してやったりと笑みを刷き、ついでにウィンクも飛ばしてみせた。この糸目でそれが伝わったかどうか少々怪しいところだが。
仕事とプライベートをきちんと分けることは、初めに決めたふたりの絶対ルールだ。だがたまにはこんな時間も許されたっていいだろう。
抗議の声を上げかけたエラに向け、マテアスはしっと人差し指を口元にあてた。遅れて頬を染めたエラが、不服そうに唇を尖らせる。
それがなんとも可愛らしく目に映るも、何食わぬ顔でマテアスは続きのケーキを促した。
仕方がないといったような笑顔になって、エラは再びフォークに手を伸ばす。
最後の一口のカップが皿に戻されたとき、ちょうど時計の針は休憩時間の終わりを告げた。
番外編《小話》たまにはこんなひと時も おわり
バレていないとでも思っているのだろうが、いちゃついているのが丸わかりだ。
あんな光景をこれまでは遠い目をしてやり過ごしてきた。
だが今はエラがいる。ダメージを負う理由は皆無。もはやマテアスに一切の死角なしだ。
最愛の妻に視線を戻すと、そのエラもリーゼロッテたちをじっと見つめていた。
しばらく黙って見下ろしていたが、いくら待てどもエラはいたずらに食べる手を止めたままでいる。
我がことのように幸せな表情をして、布越しにもぞもぞ動くふたりの動向を見守り続ける。このままでは折角のハーブティーが冷め切ってしまいそうだ。
何よりエラの意識がマテアスのもてなしから逸れてしまい、それが少しばかり面白くなく感じられた。
時計を見ると休憩時間も残り僅か。
そんなときふとマテアスにいたずら心が湧いてきた。
無防備な肩を指でとんとん叩く。
はっとしたエラがこちらを向いたところで、マテアスは素早く唇を奪い取った。
エラがぽかんとマテアスを見上げている。
してやったりと笑みを刷き、ついでにウィンクも飛ばしてみせた。この糸目でそれが伝わったかどうか少々怪しいところだが。
仕事とプライベートをきちんと分けることは、初めに決めたふたりの絶対ルールだ。だがたまにはこんな時間も許されたっていいだろう。
抗議の声を上げかけたエラに向け、マテアスはしっと人差し指を口元にあてた。遅れて頬を染めたエラが、不服そうに唇を尖らせる。
それがなんとも可愛らしく目に映るも、何食わぬ顔でマテアスは続きのケーキを促した。
仕方がないといったような笑顔になって、エラは再びフォークに手を伸ばす。
最後の一口のカップが皿に戻されたとき、ちょうど時計の針は休憩時間の終わりを告げた。
番外編《小話》たまにはこんなひと時も おわり