嘘つきな騎士と破られた託宣 -龍の託宣6-
クラーラはブローチをぎゅっと手に握り込んだ。
その姿は本当に大事にしているようで、エルヴィンが贈った品よりも余程失くしたら困る宝物のように目に映った。
「妖精姫からの贈り物か。どれ、わたしにも見せてごらん?」
「あっ駄目っ!」
器用にピンを外すと、エルヴィンはそれを手に取った。
見るとブローチは深い青の石がはめ込まれている。中で揺れ動く対流に、エルヴィンはすぐさま気がついた。
(これは守り石だな……それも相当良質の)
今やリーゼロッテは公爵夫人だ。そんな彼女から貰ったのなら質がいいのは頷ける。
だが妖精姫の瞳はエメラルドグリーンだ。石に力を込めたとして、こんな色にはならないだろう。
(と言うことは、フーゲンベルク一族の誰かのものか)
ジークヴァルトではなさそうに思えたが、どこか男性的な力強い波動に感じられた。
「あのっエルヴィン様、本当にわたくしそれがないと本当に本当に駄目なんですっ」
瞳を潤ませてクラーラが強く縋ってくる。
あまりの必死さになんだかむっとして、らしくなくエルヴィンは意地悪な気分になった。
「少しくらいいじゃないか。わたしは何も取り上げるとは言ってないよ」
「でもこのままじゃエルヴィン様にもご迷惑をっ」
むきになって取り戻そうとするクラーラは、これまでの大人しかった彼女とは思えないほどだ。
しかしエルヴィンはすぐに理由を理解した。そこら辺にいた異形の者が、クラーラ目がけて一斉に群がってきたからだ。
「きゃぁあ!」
「おっと」
スカートの裾を引っ張られ転びそうになったクラーラをとっさに腕に抱き留める。同時に浄化の力を放ち、エルヴィンは異形の者を遠く弾き飛ばした。
ぴぎゃっと悲鳴を上げて、異形の者は四方に逃げ散らばった。腕に閉じ込めたクラーラは、逃れようと半ばパニック状態になっている。
その姿は本当に大事にしているようで、エルヴィンが贈った品よりも余程失くしたら困る宝物のように目に映った。
「妖精姫からの贈り物か。どれ、わたしにも見せてごらん?」
「あっ駄目っ!」
器用にピンを外すと、エルヴィンはそれを手に取った。
見るとブローチは深い青の石がはめ込まれている。中で揺れ動く対流に、エルヴィンはすぐさま気がついた。
(これは守り石だな……それも相当良質の)
今やリーゼロッテは公爵夫人だ。そんな彼女から貰ったのなら質がいいのは頷ける。
だが妖精姫の瞳はエメラルドグリーンだ。石に力を込めたとして、こんな色にはならないだろう。
(と言うことは、フーゲンベルク一族の誰かのものか)
ジークヴァルトではなさそうに思えたが、どこか男性的な力強い波動に感じられた。
「あのっエルヴィン様、本当にわたくしそれがないと本当に本当に駄目なんですっ」
瞳を潤ませてクラーラが強く縋ってくる。
あまりの必死さになんだかむっとして、らしくなくエルヴィンは意地悪な気分になった。
「少しくらいいじゃないか。わたしは何も取り上げるとは言ってないよ」
「でもこのままじゃエルヴィン様にもご迷惑をっ」
むきになって取り戻そうとするクラーラは、これまでの大人しかった彼女とは思えないほどだ。
しかしエルヴィンはすぐに理由を理解した。そこら辺にいた異形の者が、クラーラ目がけて一斉に群がってきたからだ。
「きゃぁあ!」
「おっと」
スカートの裾を引っ張られ転びそうになったクラーラをとっさに腕に抱き留める。同時に浄化の力を放ち、エルヴィンは異形の者を遠く弾き飛ばした。
ぴぎゃっと悲鳴を上げて、異形の者は四方に逃げ散らばった。腕に閉じ込めたクラーラは、逃れようと半ばパニック状態になっている。