月明かりの下で、あなたに恋をした
翌日、火曜日。朝からメールをチェックするが、まだ返信は来ていない。
昨夜送ったばかりなんだから、当たり前だ。葛城さんだって忙しいはず。
そう思うのに、気になって仕方ない。
会社での仕事も、全然集中できなかった。リブランディングのデザイン案を作っているはずなのに、手が止まってしまう。
スマホを見ては、作業に戻る。その繰り返し。
「ねえ、彩葉。大丈夫? さっきからずっと、ソワソワしてるけど」
真帆が声をかけてきた。
「うん……実は昨日、メールを送ったの」
「えっ。もしかして、例のあの人に!?」
真帆が嬉しそうに笑う。
「それで、返事は?」
「まだ……」
「焦らないで。きっと来るよ」
真帆が私の肩を軽く叩いた。
午前中、打ち合わせが二つ。午後も会議。仕事をしている間は、葛城さんのことを忘れられる。だけど、デスクに戻るとまたスマホを見てしまう。
落ち着かないまま、時間が過ぎていき……午後3時。私のスマホが鳴った。
「あっ!」
葛城さんからの返信だ。
私は慌ててトイレの個室に駆け込み、メールを開く。