社内では言えないけど ―私と部長の秘匿性高めな恋愛模様―
「あ、部長。お疲れ様です」
それに気づき、光山さんは手を引っ込めながら挨拶を返す。
「すみません。たった今終わったところです」
部長は彼の説明に頷きながら、会議室に入ってきた。
「残念だ。宇佐美さんが発表すると言うから、私も聞きたかったんだが……」
「ぶ、部長……」
「立派でしたよ。とても」
焦って口を挟んだ私を、光山さんが遮った。
その言葉に導かれたかのように、部長の視線が私の上で留まる。
「今後、また機会はあるでしょうから、その時は部長も是非」
「……ああ。そうだな」
部長が私から目を離さないから、緊張のあまり身が縮まってしまう。
「それじゃ、俺先に戻るから。宇佐美さん、悪いけど会議室の鍵、返却よろしく」
「もちろんです」
光山さんは私に軽く手を上げ、部長には会釈して会議室から出ていった。
部長はその姿が見えなくなるまで見送って、改めて私に向き直った。
「本当に残念だ」
「ぶ、部長が来ようとしてたなんて、思いもしませんでした……」
「光山から今日のアジェンダの提出を受けて、聞き逃したくなくてスケジュールを調整していたのに。悔しいな」
部長は本当に悔しそうだけど、私はちょっとホッとしてしまう。
「光山さんはああ言ってくれましたけど、本当に全然大した発表じゃありませんから。わざわざ部長がスケジュール調整するほどのことじゃ」
「それでも聞きたかったんだよ。ちひろの『初舞台』だから」
「っ……部長、ここ、会社ですっ」
「俺と君しかいない。誰も聞いちゃいないよ」
しれっとした態度に私が慌てても、部長の方はお構いなしだ。
「もしもってことが、あるじゃないですか……」
ムッとして腕組みをする彼に、溜め息が零れてしまう。
それに気づき、光山さんは手を引っ込めながら挨拶を返す。
「すみません。たった今終わったところです」
部長は彼の説明に頷きながら、会議室に入ってきた。
「残念だ。宇佐美さんが発表すると言うから、私も聞きたかったんだが……」
「ぶ、部長……」
「立派でしたよ。とても」
焦って口を挟んだ私を、光山さんが遮った。
その言葉に導かれたかのように、部長の視線が私の上で留まる。
「今後、また機会はあるでしょうから、その時は部長も是非」
「……ああ。そうだな」
部長が私から目を離さないから、緊張のあまり身が縮まってしまう。
「それじゃ、俺先に戻るから。宇佐美さん、悪いけど会議室の鍵、返却よろしく」
「もちろんです」
光山さんは私に軽く手を上げ、部長には会釈して会議室から出ていった。
部長はその姿が見えなくなるまで見送って、改めて私に向き直った。
「本当に残念だ」
「ぶ、部長が来ようとしてたなんて、思いもしませんでした……」
「光山から今日のアジェンダの提出を受けて、聞き逃したくなくてスケジュールを調整していたのに。悔しいな」
部長は本当に悔しそうだけど、私はちょっとホッとしてしまう。
「光山さんはああ言ってくれましたけど、本当に全然大した発表じゃありませんから。わざわざ部長がスケジュール調整するほどのことじゃ」
「それでも聞きたかったんだよ。ちひろの『初舞台』だから」
「っ……部長、ここ、会社ですっ」
「俺と君しかいない。誰も聞いちゃいないよ」
しれっとした態度に私が慌てても、部長の方はお構いなしだ。
「もしもってことが、あるじゃないですか……」
ムッとして腕組みをする彼に、溜め息が零れてしまう。