社内では言えないけど ―私と部長の秘匿性高めな恋愛模様―
意外にも、部長は素っ気なくはあるものの、「ああ」と肯定してくれた。
「今も光山は君の肩に手を置いていたからな」
「えっ」
「それだけでも、俺が醜い嫉妬心を向けるに相応しい相手だ。君に触れていい男は、俺だけであってほしいから」
心を鷲掴みにされたとは、こういうことだと言っていいと思う。
私はドキドキと胸を高鳴らせ、部長の背中に歩み寄った。
そして。
「あの……その通りですよ?」
彼の背中で軽く上着を摘まんで、上目遣いで窺う。
部長は黙ったまま私を見下ろした。
「私も、部長だけですから。……ずっと見ていてほしいと思うのは」
素直に言うには恥ずかしすぎて、ついつい目が泳いでしまう。
それでも、部長にはちゃんと私の気持ちが伝わったようだ。
への字に曲がっていた唇の端が、微かに上がる。
「見ているだけか?」
ちょっぴり挑発的に微笑むと、部長は会議室のドアに向かって歩き出した。
「え? あの……だけ、って?」
私が慌てて後を追うと、部長は目を細め、ふっと吐息混じりに笑った。
会議室から出た途端、私の手を取ってぎゅっと握りしめる。
「! ぶ、部長っ。会社ですってばっ……!」
彼の行動にギョッとして、私はひっくり返った声を上げた。
慌てて辺りを見回し、人がいないことを確認して、肩を動かして息を吐く。
今は誰もいなくても、不意に通りかかって見られる可能性は拭えない。
「部長、放してください。誰かに見られたら……」
こそっと小声で、部長を窘める。
「俺は別に構わないよ。君との関係が露呈しても」
「!?」
平然と言ってのけられ、私は目を剥いて返事に窮した。
「別に悪いことじゃない。社内恋愛なんてよくある話で、我が社は社内結婚もわりと多い」
悪びれない部長に動揺して、あわあわしてしまう。
「今も光山は君の肩に手を置いていたからな」
「えっ」
「それだけでも、俺が醜い嫉妬心を向けるに相応しい相手だ。君に触れていい男は、俺だけであってほしいから」
心を鷲掴みにされたとは、こういうことだと言っていいと思う。
私はドキドキと胸を高鳴らせ、部長の背中に歩み寄った。
そして。
「あの……その通りですよ?」
彼の背中で軽く上着を摘まんで、上目遣いで窺う。
部長は黙ったまま私を見下ろした。
「私も、部長だけですから。……ずっと見ていてほしいと思うのは」
素直に言うには恥ずかしすぎて、ついつい目が泳いでしまう。
それでも、部長にはちゃんと私の気持ちが伝わったようだ。
への字に曲がっていた唇の端が、微かに上がる。
「見ているだけか?」
ちょっぴり挑発的に微笑むと、部長は会議室のドアに向かって歩き出した。
「え? あの……だけ、って?」
私が慌てて後を追うと、部長は目を細め、ふっと吐息混じりに笑った。
会議室から出た途端、私の手を取ってぎゅっと握りしめる。
「! ぶ、部長っ。会社ですってばっ……!」
彼の行動にギョッとして、私はひっくり返った声を上げた。
慌てて辺りを見回し、人がいないことを確認して、肩を動かして息を吐く。
今は誰もいなくても、不意に通りかかって見られる可能性は拭えない。
「部長、放してください。誰かに見られたら……」
こそっと小声で、部長を窘める。
「俺は別に構わないよ。君との関係が露呈しても」
「!?」
平然と言ってのけられ、私は目を剥いて返事に窮した。
「別に悪いことじゃない。社内恋愛なんてよくある話で、我が社は社内結婚もわりと多い」
悪びれない部長に動揺して、あわあわしてしまう。