社内では言えないけど ―私と部長の秘匿性高めな恋愛模様―
始業時刻を迎えると、全員会議室に移動して、初ミーティングが行われた。
会議室には、チームメンバー十人の他に、『初回なので』と湯浅部長も訪れた。
部長はテーブルには着かず、部屋の隅に椅子を動かして腰を下ろした。
このプロジェクトは部下に任せ、自分はオブザーバーに徹するつもりのようだ。
今日のアジェンダは、今プロジェクトの目標共有、各人の役割発表、そして今後のスケジュール感の統一だった。
少数精鋭部隊だからこそ、みな複数の役割を担う。
そのため、私のサポート業務も多岐に亘る。
今まではなかった経費精算業務も覚えなければいけない。
なかなか大変そうだけど……。
私は議事録を作成するためのメモを取りながら、ワクワクしていた。
高い壁が目の前に聳え立っているのに怯まないなんて、覚えている限り人生初めてだ。
「じゃ、宇佐美さん。議事録は今日の終業までにまとめられる? できたら一回僕に見せてくれるかな」
ミーティングの終了時刻が迫り、光山さんが私に指示した。
「はい。大丈夫です」
「頼むね」
私が返事をすると、彼はニコッと爽やかに笑う。
「じゃ、みんな。今日はこれで終了。お疲れ様」
閉会の合図を受け、みんなパラパラと席を立つ。
私は着席したままで、タブレットのメモを見直そうと目を走らせる。
「宇佐美さん、お疲れ様」
光山さんが後ろを通り過ぎ際、私の肩をポンと叩いて労ってくれた。
「あ、ありがとうございます!」
彼を振り仰いでお礼を言ってから、私はなんとなく頬を摩った。
今、筋肉が緩んで自然と笑顔になってた……気がする。
会議室には、チームメンバー十人の他に、『初回なので』と湯浅部長も訪れた。
部長はテーブルには着かず、部屋の隅に椅子を動かして腰を下ろした。
このプロジェクトは部下に任せ、自分はオブザーバーに徹するつもりのようだ。
今日のアジェンダは、今プロジェクトの目標共有、各人の役割発表、そして今後のスケジュール感の統一だった。
少数精鋭部隊だからこそ、みな複数の役割を担う。
そのため、私のサポート業務も多岐に亘る。
今まではなかった経費精算業務も覚えなければいけない。
なかなか大変そうだけど……。
私は議事録を作成するためのメモを取りながら、ワクワクしていた。
高い壁が目の前に聳え立っているのに怯まないなんて、覚えている限り人生初めてだ。
「じゃ、宇佐美さん。議事録は今日の終業までにまとめられる? できたら一回僕に見せてくれるかな」
ミーティングの終了時刻が迫り、光山さんが私に指示した。
「はい。大丈夫です」
「頼むね」
私が返事をすると、彼はニコッと爽やかに笑う。
「じゃ、みんな。今日はこれで終了。お疲れ様」
閉会の合図を受け、みんなパラパラと席を立つ。
私は着席したままで、タブレットのメモを見直そうと目を走らせる。
「宇佐美さん、お疲れ様」
光山さんが後ろを通り過ぎ際、私の肩をポンと叩いて労ってくれた。
「あ、ありがとうございます!」
彼を振り仰いでお礼を言ってから、私はなんとなく頬を摩った。
今、筋肉が緩んで自然と笑顔になってた……気がする。