社内では言えないけど ―私と部長の秘匿性高めな恋愛模様―
いつもよりやや無造作な前髪が、風で微かに揺れる感じが新鮮だ。
まったく初対面の人と向き合って食事をしているみたいで、ちょっとソワソワしてしまう。
妙に身を縮めて、ポテトチーズサラダを口に運び……。
「あ。美味しっ」
ポロッと感想が口をついて出て、ハッとしてのみ込んだ。
慌てて口を閉じたものの、部長はこちらを見ていて、バチっと目が合ってしまった。
「あ、す、すみませんっ。えっと、あの……」
「……ぶっ」
顔を真っ赤にして狼狽える私に、部長は吹き出して笑った。
「おいおい、なんで謝る」
ナイフもフォークもテーブルに置き、口を手で隠したせいで、その声はややくぐもって聞こえる。
「それが宇佐美さんの素直な感想なんだろう? 謝る必要がどこにあるっていうんだ」
くっくっと揺れる肩、目尻には涙まで滲んでいるのを見ると、本当に真剣に愉快そうだけど。
「……あ、すまない」
部長は我に返ったのか、すぐに笑いを引っ込めた。
「謝罪するのも、君なりに理由があるだろうに。笑い飛ばしたりしてすまない」
キビキビと言って、姿勢を正して頭を下げようとするのを、
「部長って、そんな風に笑えるんだ……」
私は半分呆けた気分で遮った。
部長も怪訝そうに、「え?」と聞き返してくる。
「私、たった今言ったじゃないですか。部長、笑わなくてもったいない。損してる。本当はそんな楽しそうに爆笑できる人なのに! ……あ」
またしても興奮して、私はガタンと音を立てて立ち上がってしまった。
部長が驚いて目を瞠り、私を見上げているのに気づいて、慌ててストンと腰を下ろす。
「え、ええと……重ね重ね失礼を、申し訳ありません……」
両手を膝に置き、肩を縮めて萎縮する。
まったく初対面の人と向き合って食事をしているみたいで、ちょっとソワソワしてしまう。
妙に身を縮めて、ポテトチーズサラダを口に運び……。
「あ。美味しっ」
ポロッと感想が口をついて出て、ハッとしてのみ込んだ。
慌てて口を閉じたものの、部長はこちらを見ていて、バチっと目が合ってしまった。
「あ、す、すみませんっ。えっと、あの……」
「……ぶっ」
顔を真っ赤にして狼狽える私に、部長は吹き出して笑った。
「おいおい、なんで謝る」
ナイフもフォークもテーブルに置き、口を手で隠したせいで、その声はややくぐもって聞こえる。
「それが宇佐美さんの素直な感想なんだろう? 謝る必要がどこにあるっていうんだ」
くっくっと揺れる肩、目尻には涙まで滲んでいるのを見ると、本当に真剣に愉快そうだけど。
「……あ、すまない」
部長は我に返ったのか、すぐに笑いを引っ込めた。
「謝罪するのも、君なりに理由があるだろうに。笑い飛ばしたりしてすまない」
キビキビと言って、姿勢を正して頭を下げようとするのを、
「部長って、そんな風に笑えるんだ……」
私は半分呆けた気分で遮った。
部長も怪訝そうに、「え?」と聞き返してくる。
「私、たった今言ったじゃないですか。部長、笑わなくてもったいない。損してる。本当はそんな楽しそうに爆笑できる人なのに! ……あ」
またしても興奮して、私はガタンと音を立てて立ち上がってしまった。
部長が驚いて目を瞠り、私を見上げているのに気づいて、慌ててストンと腰を下ろす。
「え、ええと……重ね重ね失礼を、申し訳ありません……」
両手を膝に置き、肩を縮めて萎縮する。