過つは彼の性、許すは我の心 参


「嘘だな。本当に大事ならミケになんかしない」


 緩く絞められた手は徐々に締め上げられて行く。


「生に頓着の無い兄の為にアンタがあげたプレゼントだろ」


 それでも私は死に対する恐怖は無い。

 この男はやっぱり侮れない。

 他の奴の様に決して騙されてくれないだろう。

 ならーーーー。


「ふふっ…逃がしてあげないから」


 取り繕う必要は、無い。

 あの子は絶対に逃さない。

 笑みを浮かべている私に眉を顰める、死そのもの。

 殺せばいい。

 私の目的は既に果たされていると言っても過言じゃ無い。

 死んでも悔いなんて。


「ーーー天條獅帥は今何処に居るか知っていますか?」

「っ」


 余裕が一瞬にして崩壊した。


「兄も妹も馬鹿だな。妹を殺すって言ったら動揺した」

「何処に…!」


 首を掴む手に爪を立てるが、どこ吹く風で首を絞め続ける。


「馬鹿兄妹が。結局アンタが死んでもアレじゃあ元の木阿弥だろう」

「はなっせ」


 バタバタと暴れる私を意に返さない惣倉影刀は淡々と、


「本当に自分達しか見えていない大馬鹿だよ…どれだけアンタ等を先輩は思っているのか」


 そう言って私の動きを止めた。


「今は状況に慣れている様に見えるけど、あの人はかなり無理している。いつか壊れる。壊れた人間を傍に置く趣味があるなら、2代渡って変態趣味なんだなあオオミカって」

「っ!」
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