甘い生活 Casa al mare

まさか、浮気でもしたのだろうか⋯⋯？

清海さんに限って、それはあり得ないと信じてはいるが。

「ちゃんと聞くから、話して？」

そう言うと、清海さんは、写真週刊誌を差し出す。

「これがどうしたの？」

悲しそうな顔で、清海さんはある頁を開き、私に向ける。

そこには、

“覆面画家・高丘清海の素顔はこれだ！”

“イケメン画家は、田舎町でティーンの美少女と熱愛同棲中”

そんな煽りとともに、私たちが庭で熱いキスを交わしている写真が載っていた。

辛うじて、私の顔には目線が入っているが、清海さんは、完全に素顔を撮られてしまっている。

「何これ⋯⋯？」

「海香子ちゃんやご両親には、どう謝罪していいのかわからないよ⋯⋯」

清海さんは、頭を抱えてしまった。

「すべては、僕が迂闊だったせいだよ⋯⋯本当に申し訳なくて」

清海さんは、今までに見たこともないほど、酷く落ち込んでいる。