白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

33 手紙の意味よりも

 彼女は静かに私の話に耳を傾けながらも、侍女たちに指示をし、テーブルにはどこまでも良い香の紅茶や見たコトもないお菓子たちが並ぶ。

 話しながらも目の前で始まった豪華なお茶会に、私は一人別のことを考えていた。

「公爵家の人間に喧嘩売るなんて、さすがね」

 呆れたように眉をひそめたマリアンヌが、ため息交じりに声を上げた。
 私は出されたクッキーを一つ頬張り、ただ幸せをかみしめる。

「聞いてるの?」
「はい、聞いてますよ。すごく美味しいです、マリアンヌ様」
「……そう、よかったわね」

 完璧になにか別の生き物を見ているような目だったが、だって美味しいんだもの。
 人生でこんなに美味しいお菓子なんて食べたのは初めてだ。

 紅茶だってしっかりと味も香りもある。
 いつものお湯に少し色がついたようなものとは大違いだった。

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