白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 ああ、不敬罪すぎるわ。
 向こうのがずっと身分が高いのに。

「そんな人だったの? アタシも顔くらいしか見たことないけど」
「すごいですよ。がさつというか、ぶっきらぼうというか。だから貴族だと思わなくて」
「へぇ、意外ね。そんな方とお茶か……」

 元平民と騎士団長って、組み合わせも変だし。
 自分でもどんな感じなのか想像もつかないわ。

「あ!」
「な、なに、急に大声なんて上げて」
「その……お茶会行くのにドレスなくて。何か着ないものでいいので、貸してもらえないかと思って」
「それはいいけど、アタシの入る?」

 マリアンヌは私の胸を見た後、自分の胸を見た。
 確かに彼女の方がスレンダーかつグラマーであり、ドレスはその胸を強調するようになっている。

 ぺたんこの私には確かに違う意味で無理かもしれないわね。

 ジッと胸を見る私に、マリアンヌはまた吹き出した。

「なにか貴女が着れるようなものを見つけておくわ。当日化粧もしてあげる」
「いいんですか⁉」
「その代わり、どうなったかちゃんと教えてよね」
「もちろんです!」

 楽しい時間ほどあっという間に過ぎ、嫌な時間ほど長く感じるというのは、いつもその時にならないと忘れてしまっているのが問題だと、私はあとから気づくのだった。
< 109 / 236 >

この作品をシェア

pagetop