白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 まだうちの荷物がやられたって話は聞かないから、もう少しあとかな。
 ああ、でもそれならちょうどいいものがあるわ。

「幾度討伐しても、こうも頻回だと頭が痛くなるな」
「それならうってつけのものがありますよ?」
「なに⁉」

 ちょうど売り込みたかったから、タイミングバッチリね。
 私は自分のバッグから、また薬玉を取り出した。

「これはあの時のか」
「はいそうです。実はこれ、灰色ネズミ以外にも有効なんです」

 そう、これが他のモンスターにも有効だと分かったのは偶然だった。
 前世の時に、うちの積み荷が襲われた時、使用人の一人が持っていたこれを投げつけたことによるのだ。

 投げた積み荷の馬車だけは助かり、他の馬車はモンスターに襲われ逃げることが出来なかった。
 あの時は結構な損失だったとはいえ、あとからこの薬玉の話を聞いた父がその分の負債を取り戻せたほど稼いだのだ。

「この中に入っている薬剤が小型のモンスターには嫌がられるようで。殺傷能力はないものの、馬車などが襲われた時に投げれば逃げることは可能です」
「でもそれじゃあ、一時的なもんじゃないか」

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