白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 触られた肩から全身に、ゾワリという気持ち悪さが駆け抜けていく。
 なんだろう。
 さっきブレイズに触れられた時には嫌悪感なんてなかったのに。

 仮にもこの人は私の夫なのよ。
 絶対にそういうことは起こらないって思っていたけど、普通だったら起こらない方がおかしかったのよね。

 過去と状況が変わったんだし、どうしてそういうこともあるかもって警戒しなかったのかしら。

「そうでしょうか」
「ああ。そのドレスは、すごく似合っているよ」
「……ありがとうございます」
「きっと向こうの男も君のことを褒めただろうね」
「まさか。父の手前、お世辞くらいですわ」
「まぁ、それはいいか。僕の妻が元平民であろうと、美しいことはいいことさ。だが、このネックレスが気に入らないな」

 ダミアンはそう言いながら、胸元にかかるネックレスに指をかけた。
 赤い石、どうやらそれが気に食わないらしい。

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