白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「大丈夫よ。いつだって、平気だったでしょう。お医者様なんて、高いし、それに私になんてこの屋敷の人間は呼んでもくれないわ。にしても、マリアンヌ様のおかげで助かったわ」
「助かったって……」

 もしミーアがマリアンヌを呼んでこなかったら、どうなっていただろう。
 あんな風にダミアンが私に興味を示すなんて思わなかった。

 それにあの目も手つきもそう。
 明らかに私を女性として見ていたわよね。
 
 思い出すだけでもぞっとする。
 好きでもない人間に触れられたりするのって、あんなにも気持ちの悪いものだったんだ。

「まさかダミアン様が私なんかをねぇ……。たくさんの貴族女性に囲まれていたみたいだし、もっと目が肥えてると思ったのに」
「何を言ってるんですか。アンリエッタ様はそこらへんの令嬢様たちよりも、ずっとお綺麗ですよ?」
「そう?」

 この瞳も髪も珍しい色だとは思うけど。
 綺麗だなんて言われたのは初めてね。

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