白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

45 その涙は

 疲れからか、怪我のせいからか。
 その夜、私は熱を出してしまった。

 ミーアは責任感からずっと看病すると言い張ったものの、明日も熱が引かなかったら困るからと部屋に戻した。

 そして夜中、皆が寝静まった頃、部屋をノックする音が聞こえてくる。
 起き上がれない私は、そのまま声だけかけた。

「はい、誰です?」

 ゆっくりと部屋のドアが開く。
 ドアの向こうにいたのは、マリアンヌだった。

 なんとなくそんな気がしていたから、部屋の鍵はかけなかったのだ。

「マリアンヌ様」
「……」

 私が微笑むと、ゆっくり部屋に入ってくる。
 近づいてきた彼女の顔をよく見れば、目は腫れていた。

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