白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 彼女が泣き止むまで、ただずっと。
 この涙が私のためだと知っていたから。

「ごめん……なさい」
「何を謝ることがあるんです?」
「だって、あなた怪我を」

「ああ、大したことありません」
「でも熱が」
「これは知恵熱です。公爵家で立ち回りした疲れが出ただけですわ」

 正直、今日は一気にいろんなことが起き過ぎたのよ。
 まぁ、背中も痛いといえば痛いけど。

 それよりも疲れたというのが合っている気がする。

「公爵家ではうまく行った?」
「ええ。マリアンヌ様のおかげです。ドレスも似合ってるって褒められちゃいました」
「褒めた? あの人が?」
「はい。ビックリですよねー」

 お世辞でも、ダミアンに言われるより嬉しかった。
 
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