白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 歳は父よりやや上くらいだろうか。
 真っ白な服に、診察用の大きなカバンを持っていた。
 そして助手なのだろうか、二人ほど綺麗な女性を伴っている。

 私はミーアに頼んで背中にあるだけのクッションを挟んでもらうと、なんとかベッドで体を起こした。
 
「初めてお目にかかります、ヴィドール夫人。わたくしは医師のビランドと申します」

 やや屈みながら、医師は私に丁寧に挨拶をした。
 どう見ても、貴族相手をする方よね。
 どこかの町医者には見えないわ。

「初めまして、こんにちわビランド様。このような格好で申し訳ありません」
「何を言いますか。貴女は患者ですから、そのままで結構なんですよ」

 ビランドはそう言いながら、眉を下げてふんわりと微笑む。
 
「いろいろ診させていただいてもよろしいでしょうか?」
「はい。お願いいたします」

< 170 / 236 >

この作品をシェア

pagetop