白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 ビランドの指示で、私の背中には固定するようにきつく包帯が巻かれた。
 看護師たちから包帯の替え方をミーアが聞いている中、私は疑問をビランドにぶつける。

「ビランド様は、どなたから派遣されていらしたのですか?」

 私の問いに、彼はやや困ったように一瞬目をそらした。
 どう見ても、父が雇った医師ではないのは明らかだ。

 だって金貨一枚以上、この診察代はかかると思うもの。
 いくら父の目的が私が子を成すことだからといって、ここまでは肩入れするはずがない。

 だからこそ彼が誰に雇われ、誰の指示で私を診察しているのか。
 それがどうしても気になった。

「そうですねぇ……」
「口外はいたしません」
「わたくしは公爵家の侍医なのですよ、夫人」
「ではブレイズ様が……」

 ビランドはただ微笑むだけで、それ以上は答えてはくれなかった。
 診察代はもう貰っていると言い、痛み止めの薬と替えの包帯を置いて彼らは帰っていった。
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