白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「はぁ」

 思わず大きなため息をもらせば、心配したように部屋の片づけをしていたミーアが振り返る。

「初めての診察で疲れてしまったようですね」
「かもしれないわね」
「お薬を飲んで、少し休まれますか?」
「そうね。それがいいかも……」

 と言いかけて、またドアが勢いよく開く。
 デジャブーかしら、これ。
 今さっきも同じ光景を見たわよね。

 先ほどと同じ侍女が部屋の中へなだれ込んでくる。
 それを見たミーアの顔が再び引きつっていた。

 何か劇でも見ている気分ね。

「すみません。アンリエッタ様!」
「だーかーらー! アンリエッタ様は静養中だと何回言えば分かるの。ドアは静かに。大きな声も出さない!」

 そういうミーアも先ほどと同じように大きな声を張り上げている。
 
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