白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「あー、ドレス借り物とか言っちゃったし?」
「え、それ言っちゃったんですか⁉」
「だってほら、なんか勢いで……」

 あの時のブレイズの顔、かなり驚いていたものね。
 しかもそのあと、怪我をして倒れたなんて言われたら、きっと虐げられた可哀そうな平民のお嫁さんとか思ったのかも。

 そう考えると、第一印象は最悪だったけどいい人なのかもしれないわね。
 もっとも、加減を知らないあたりが困ったものだけど。

「貴族の方たちにとったら、きっとすごく不幸な人だと思われたかもしれませんよ」

 ミーアの言葉に私は頷いた。
 きっとそうね。貴族にしたら、きっと考えられないのかも。

 もっともこれが普通すぎるって私たちの考えも、きっとダメなんだろうけど。
 虐げられるのに慣れたって、いいことなんて一つもないのだから。

「アンリエッタ様、これはなんでしょう?」

 残りの荷物を片づけていた侍女が、小さな箱からガラス瓶に入ったものを取り出し、私の元へ持ってきた。
 丸い蓋の付いた瓶の中には、ピンク色の乾燥させたバラの花がいくつも入っている。

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