白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 でもこれでいい。
 ここまで言えば、きっとあとはこの騎士がうまくやってくれるわね。

「帰りますよ、おぼっちゃま。お父上が心底心配しておられます」
「だけど、彼女が怪我を!」
「アレに関わってはいけません」
「でも、でも!」

 子どものように駄々をこねる彼を、騎士は小脇に抱きかかえる。

「待って、彼女が俺のせいで怪我を! 歩ける状態じゃないんだ! 治療をしなきゃ」
「いいんです。勝手にするでしょう」

 騎士はそう吐き捨てる様に言うと、振り返ることもせずに歩き出す。
 私は必死に叫ぶ彼に、小さく手を振った。
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